集結 ページ6
探偵社を救うための最終作戦会議。
谷崎、賢治も戻り手駒も揃った。会議室には太宰を除いた社員全員が席につき、配られた資料と睨めっこしている。
福「まずは現況の確認からだ。乱歩」
乱「彼らの計画は最終段階に入った。感染性の吸血種を世界にばら撒き、すでに十六の国軍を陥落させた。軍隊は不気味に沈黙している。今のところはな」
不死伯爵ブラムの異能力により、感染性の吸血種が異常な速さで増幅していた。噛んだ人間を己の配下、吸血種に変えて操ることができる。噛まれた人間はさらに他人へと感染を広げる。
福「ブラムはかつて存在した人類を滅ぼす十の悲劇のひと柱。福地桜痴に討たれ、聖剣にて封印された。
…だがそれも、計画の下準備であったのだろう」
『……』
間宮は手に顎を乗せ、資料に目を配る。どうやら、各国軍では誰が吸血種かわからず疑心暗鬼の同士討ちまで始まっているようだ。
(ほんと物騒な世の中ね)
乱「このままだと異能戦争の総本山、欧州列強が控えている。物量作戦に出れば、半年程度で平和が戻るだろう。
_______敵の真の狙いは"ワンオーダー"、封印された三大厄災の一つ。大戦が生んだ忌まわしき精神支配の異能兵器だ」
『ワンオーダー?』
首を傾げたのは間宮だけではなかった。
乱「兵士が戦場で敵を殺すのに、弾丸を平均何発使うと思う?」
敦「一人やっつけるなら五発から十発?」
国「威嚇や牽制も含めるなら一弾倉か、其れ以上」
『百発以上は確定じゃないかしら』
次々と模索される考えに、与謝野はゆっくりと口を開ける。
与「…いや、多分もっと多い」
乱「_____五万だ」
全「「『!!?』」」
乱「殆どの兵士は敵に向けて発砲すらしない。
狙いを外して戦ってるふりをする。たとえ最前線でも人を殺すという行為に人間は耐えられない_____それが戦場だ」
("善なる国家という戯言"…福地桜痴が云っていたのはこの事だったのね)
先日交わした福地との会話を思い出し、眉を顰める。すると、「ワンオーダーについては私が説明する」と福沢が声を上げた。
福「ワンオーダーは私の異能力に似た兵器だ。己の部下に効果を及ぼす。その効果は、部下が必ず命令通りに動く通信機」
全「「『?!』」」
福「異能技師が作った此の通信機を指揮官が使うことにより命じられた部下は体が上官の一部のように動き自動的に命令を遂行する」
『…感情はあるの?』
福「否、疑問や罪悪感も其処にはない」
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誰って?ふふ、アタシにも分からないわ。 - あぁぁああ!!ツンデレ具合が可愛すぎます....!! (5月8日 23時) (レス) @page38 id: 47436d7826 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - ゆいたろー!さん» ほんとにですよね〜! (2月25日 4時) (レス) @page32 id: 24087fee12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - 乱歩さんかわいい!! (1月25日 22時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
さぁや - 面白くて一気見してしまいました(笑)これからも頑張ってください! (12月28日 23時) (レス) @page11 id: ee7d1e5722 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - アーテルさん» ありがとうございます!聴いてみます! (11月27日 22時) (レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜 | 作成日時:2023年11月6日 18時