大規模侵攻�� ページ10
- A -
私が放ったアイビスでの一撃は、見事に水世に命中をした。インカムから飛び込んできた“緊急脱出不可能”の言葉を聞いた時はそれはもう焦ったけど、その理由をすぐに述べてくれたことで解決策は直ぐに立てられた。
つまり、一手早まったのだ。
理由など、水世が緊急脱出出来ずに換装が解けた時に述べればよかった。まあ、そのお陰でこちらは水世を何とか安全に逃すことができた。
しかし、問題はここから。
元々水世と共闘ができるのか不安を抱えつつも、護りたい一心で増援に来たわけだけど...狙撃手である私が、一人で攻撃手を相手にするのはどう考えても分が悪すぎる。
〈Aちゃん！聞こえてる！？〉
移動しながら思考を巡らせていた私に、インカムから声がかかる。オペレーターの栞ちゃんだ。
『聞こえてるよ』
〈もう全然応答ないから心配したよ...レイジさんも心配してたよ！〉
『ごめんね...焦っちゃって』
私がそう話せば、栞ちゃんは何か焦る理由があるのかと聞いてくる。それに対して答えるか否か正直悩んだが、この後私が冷静さを欠いた時に、理由を知っていて貰えた方が諭しやすいかもしれない。
『彼奴は、4年前に...私達の両親を殺した近界民なの』
〈え...〉
『彼奴は初めから水世を狙ってた。だから、焦った』
私がそう話せば、栞ちゃんは案の定驚いたようで言葉に詰まっていた。そうなるのも仕方が無いとは思うけど、今は状況が状況。驚いている暇はない。
『彼奴のトリガーは“黒トリガー”で機能としては【システムの無効化】みたい。水世と彼奴の会話から聞き取れたのはそのくらいしか無くて...』
〈情報が少ないね...どう〈A〉！？〉
栞ちゃんの言葉を遮って聞こえてきたのは、私の声によく似た、でも何処か活発さを感じさせる声だった。その声に、私は身体が固まってしまう。
どうしてここまで来てまで、恐怖が勝つのか。
分かってる、水世は今までとは違うって。
でも、また拒絶されるんじゃないかって頭の何処かで思っている自分がいる。
思考が回らなくなり、頭が真っ白になっていく。やばいやばい、一人なのに...どうしよう...！！
〈しっかりしてA〉
『っ！』
パニック状態になっていた私に、水世が声を掛ける。
〈今は、戦闘中だよ〉
その声には、貫禄があった。
そしてその言葉は、私を冷静にさせるには十分な言葉だった。一気に動く様になった身体で体勢を建て直し、再び瓦を蹴った。
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紫苑(プロフ) - お疲れ様でした！めっちゃ面白かったです!!これからも頑張ってください<(_ _)> (2022年4月20日 17時) (
レス) @page46 id: 3be26313f4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞希(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れ様でした！！うまく言葉に出来ないのだけれども凄かったです！ (2022年4月20日 16時) (レス) @page46 id: ffd23d4fdd (このIDを非表示/違反報告)
あるみく(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初の頃からワクワクしたり、時には泣いたり、綺世さんの語彙力の多さや文の作り方物語の作り方…etcなどに感涙してきました。少し期間が空いてもいくらでも待ちます！勉強頑張ってくださいね！ (2022年4月19日 21時) (レス) id: 1448334fe6 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - 焙じ茶さん» コメントありがとうございます！焙じ茶様の気持ち、しかと受け取りました。私も中々の限界オタクの時がありますから、こうなってしまうお気持ち、お察し致します笑焙じ茶様も体調にお気を付けてお過ごしください。今後ともご愛読よろしくお願いいたします！ (2022年4月5日 0時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
焙じ茶 - お体に気をつけて更新頑張ってくださいね！！応援してます！連コメすみません！ (2022年4月4日 20時) (レス) id: 0167f82c96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺世 | 作成日時：2022年1月19日 0時
