滅却師と鬼 ページ42
− 石田 −
僕はある人の元へ向かっている
察しの通り、百目鬼Aさんだ
あの人の事は高校で有名なだけで名前しか知らなかった
しかも、ほとんど霊圧なんか感じられなかった
なのに正体は死神だって?
信じ難い……それに____
ガラッ
病室の扉を開ければ、百目鬼さんと別の死神がいた
結城「君は……」
鶯色の髪の死神は僕を見ると大層驚いたような顔をした反面
百目鬼さんは、僕をその真紅の瞳で探るように見ている
石田「百目鬼Aさんの病室で間違いありませんか?」
『間違いないよ』
僕はそれを聞いて、病室に入った
そして、百目鬼さんの横になっているベッドの傍に立った
『水鳥、席外してくれる』
結城「え!?」
『大丈夫、彼は人間だ』
水鳥と呼ばれた彼女は少々不安そうな表情を見せたが、「わかりました」と言って病室を出て行った
彼女の霊圧が遠ざかったのを確認し
僕は口を開いた
石田「初めまして、ですよね」
『君は私の事を知っているみたいだけどね』
石田「僕は石田雨竜、く『滅却師だね』っ!?」
何で知っているんだ!?
『それだけ主張の強い服着てれば気付くよ』
石田「そう……ですか」
短時間でよく人を見ている人だ
頭の良さは、死神になっても健在ということが
『それで、君が聞きたいのは私が死神だったことかな?それとも……____
__________鬼の血族である事かな?』
石田「なっ!?」
こ、この人……凄いを通り越して怖い!!
何なんだ、心でも読めるのか!?
僕が固まっていると、百目鬼さんは笑った
『滅却師だから、私を殺しにでも来るかと思ったら……とんだ勘違いだったみたいだね』
石田「殺す……?何故ですか?」
『そちらの認識からしたら、鬼も虚も同類だと聞いたことがあったからね。でも君は、死神である黒崎に力を貸した時点で、滅却師としてのプライトは捨ててきたのかなと思ってるよ。
まあ、尤も滅却師の力を失った君はそんな事関係ないのだろうけどね』
痛い所を突かれ、僕は押し黙ってしまった
そうだ、僕にはもう力は……
そんな僕を見て、百目鬼さんは静かに笑った
『元はと言えば石田君は善良な高校生なわけだから、いい機会じゃない?
それに、守られるのも、強さだよ』
そう言った百目鬼さん
窓の外に向けた視線は
一体、何を映しているのだろうか
そして、彼女は何を隠しているのか。
337人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩 - すごく面白かったです!更新待ってます! (2019年5月30日 20時) (レス) id: 87e7c65eb8 (このIDを非表示/違反報告)
玲奈 - 面白かったです 焦らず更新して下さい 待ってます (2019年4月6日 22時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
絢兎(プロフ) - 続き楽しみにしています (2019年2月26日 14時) (レス) id: 48a49b3a4b (このIDを非表示/違反報告)
みー - 続き待ってるよ(^^) (2019年2月17日 7時) (レス) id: 26036033a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:綺世 | 作成日時:2019年2月16日 15時