やりたかった事 ページ11
− 百目鬼 −
学校へ行ってみれば
まるっきり、朽木ルキアと言う存在は消えていた
正直驚きはしたけれど
特に、どうという事もなかった
____そして、私の高校生活最後の夏が始まろうとしていた
教員「なぁ、本当に進学しないのか?」
『目的もなく進学するのは、お金の無駄ですよ』
教員「確かにそうだが......お前の成績ならどこいっても何にでもなれると思うんだがな」
『そもそも素行の悪い人を、大学は求めてないんじゃ無いですか?』
私は立ち上がり
エアコンの効いた進路指導室のドアに手をかける
教員「また気が変わったら言ってくれ。協力する」
『........期待はしないで下さい』
私は教員を振り返らず、そのままドアの外へ出た
❁✿
____名誉。
それは、形無い物の中で
最も多くの人が求めているものだろう
名誉があれば、権利が貰える
名誉があれば、尊敬される
名誉があれば、愛も貰える
名誉は、全てを手に入れる事ができる
彼ら教員にとって、私は有望株なのだろう
自分の教え子が有名な大学へ進学すれば
それだけで、彼らには名誉が着く
例えそれが、彼らの成果で無いとしてもだ
『世の中........馬鹿ばっかり』
気が付けば、プールの傍に来ていた
私は、昔から水が好き
それは、何か影響を受けたからとかじゃない
気が付くと水辺に行っていることが多い
水を見ていると、自然と落ち着けた
?「百目鬼さん?」
突然、後ろから声をかけられた
プールサイドに座りながら後ろを振り返ると
胡桃色の髪をした女子がいた
『........黒崎か』
?「あ!いや、その.....すみません」
『なんで謝るんだよ』
私は目線をプールに戻す
が、彼女の視線を痛いほど感じる
私はため息を吐き、再び彼女を見て
自分の隣を指さした
『ここ、来る?』
❁
彼女の名前は井上織姫と言うらしい
予想通り、黒崎のクラスメイトだそうだ
井上「百目鬼さんはどうして今日学校に?」
『進路だよ』
井上「あ、そっか......百目鬼さん、三年生ですもんね」
『まあ、進学しないんだけどね。やりたい事、もうないし』
井上「え!?」
井上は心底驚いている様で
少し、おかしな顔をしていた
まあ、全国模試一位が進学しないなんて
前代未聞だからね、多分
『やりたかった事は、あったんだけどね』
何故か、私は口に出していた
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彩 - すごく面白かったです!更新待ってます! (2019年5月30日 20時) (レス) id: 87e7c65eb8 (このIDを非表示/違反報告)
玲奈 - 面白かったです 焦らず更新して下さい 待ってます (2019年4月6日 22時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
絢兎(プロフ) - 続き楽しみにしています (2019年2月26日 14時) (レス) id: 48a49b3a4b (このIDを非表示/違反報告)
みー - 続き待ってるよ(^^) (2019年2月17日 7時) (レス) id: 26036033a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺世 | 作成日時:2019年2月16日 15時