《看守日誌》不味い食事 ページ37
− 吉良 −
吉良「……」
僕は食事をもって牢獄へ向かっている
お昼から僕は看守を交代することになっていて
時間が時間なので、囚人の食事を持って来た
しかしその食事は、お世辞にも美味しそうには見えない
これは、可哀想だと思わざるを得ない
建付けの悪いドアを何とか開け
前任の看守と交代する
そして、食事を囚人に渡す
『ありがとう』
吉良「……いえ」
手を合わせ、囚人は食べ始めた
きっと、あのご飯もおかずも冷めきっているはず
なのにそれを、嫌な顔せずに黙々と食べる
僕は資料を見た
＿＿＿＿百目鬼A 女
魂魄消失案件、重要参考人＿＿＿＿
もうかれこれ、60年は投獄されているらしい
確か十年前に、阿散井くんや雛森くんから聞いたことがある
……変わった囚人が居ると
その人は牢の中で筋トレをしていたり
すごく優しい人だと
そして、驚くほど綺麗だとも聞いた
『……人が食べるところ見て楽しいの？』
吉良「！いえ、そんなことは……」
『いいよ、そう言う趣味の人も居るよね。
因みに私は人が走ってるのを見るのが好き』
吉良「いや、やめてください」
絶対この人だ
間違いなく、この人だ
吉良「……食事、美味しいですか？」
『いや全く。寧ろ不味い』
吉良「即答！？」
『でも、食べさせてもらってるから今言ったことは内緒で』
吉良「は、はぁ……」
僕はスピーディな会話に動揺する
囚人ってのは少しくらい病んでいても可笑しくない
なのにこの人、全く普通の人と変わらない
『君、ツッコミセンスあるよ。名前は？』
吉良「吉良……イズルです」
『イズル？変わった名前だけど個性あっていいね
私はさっき資料で見たとおり、百目鬼Aだよ』
よく見ている人だ
そして、彼女は食事を食べ終えた
しっかり、食べ残しをせずに
吉良「なんというか……明るいですね」
『そう言う吉良くんは暗いね。何か、悩みでもあるのかな？』
吉良「元からです」
僕がそう言うと
百目鬼さんのその赤い瞳が、僕を捉えた
『まあ時に、その冷静さが武器になる。
吉良くんは出世する気がするよ』
吉良「何故です？」
『勘』
そう言うと、僕が呆気にとられている間に
彼女は、寝てしまった
聞いたとおり、変わった人だ
だが同時に、強さを感じた
＿＿＿＿卯月五日日 看守：吉良イズル
異常は見られない。食事も残していない。
……花粉が気になると言っていた＿＿＿＿
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雪華 - お願いあるんだけど良いですかな?narutoのキャラ×るろうに剣心の雪代巴の恋愛短編集を作って貰いますかな?巴は木葉隠れの忍びを設定で。 (2019年1月25日 17時) (
レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - みーさん» ありがとうございます！これからも、よろしくお願いします！ (2019年1月18日 23時) (レス) id: fd5968f422 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 続き待ってるよ(^^) (2019年1月16日 7時) (レス) id: 24c83282b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺世 | 作成日時：2018年12月26日 23時
