谺響 ページ29
− 浮竹 −
バタンッ
卯ノ花「っ」
総隊長が部屋から出ていくと
その途端にAが倒れた
床に血溜まりが段々広がっていく
卯ノ花「担架を」
卯ノ花隊長がそう言うと、一番隊の隊士が動き出す
その間、卯ノ花隊長が止血を開始する
しかし、一向に止まる気配を見せないその赤色に
俺たちの不安は募るばかり
卯ノ花「まだ完治していないのに、何故こんなことを……」
卯ノ花隊長の懸命な応急処置
それでも流れる鮮血
その様子を、俺たちは見守ることしか出来ない
____何故そんな体で、ここへ来たのか
____何故逃げずに、戻ってきたのか
謎は深まるばかりだった
荒い呼吸を繰り返し
意識も朦朧としているA
こんな弱りきったAを見るのは初めてだった
いつだって、凛としていて
“弱さ”という言葉が1番不釣り合いな彼女
隊長達も驚きを隠せなかった
______そしてそれは、彼女の副官も例外では無かった
結城「……隊長……」
やや混乱気味の結城副隊長が呟く
その菫色の瞳は、Aを写して離さない
手が震え、呼吸が早くなっている
まずいか……
ポンッ
そんな彼女の肩に、京楽が手を置いた
京楽「落ち着いて、大丈夫だ」
俺はホッとする
彼女の隣が京楽で良かったと心から思った
するとやっと、担架が到着した
Aを乗せた担架は外へと向かっていく
結城「百目鬼隊長!!」
結城副隊長は、Aを呼ぶ
担架は止まらず、進んで行く
結城「私は、信じてますから!!」
彼女がそう言うと
担架を運ぶ隊士が止まった
よく見ると、その腕にはAの手が置かれていた
Aは、殆どない意識の中で
最後にこう言った。
『____あんた、馬鹿じゃないの?』
結城「っ!!」
そして、Aは卯ノ花隊長同伴の元
四番隊へ運ばれて行った
一行が見えなくなると、全員の視線は結城副隊長に注がれる
“____あんた、馬鹿じゃないの?”
Aの言葉が谺響する
何故、こんな事になってしまったのだろうか
結城「っ……隊長……」
十番隊の副官章を握り
泣き崩れる彼女に
俺たちは、何も言うことが出来なかった
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雪華 - お願いあるんだけど良いですかな?narutoのキャラ×るろうに剣心の雪代巴の恋愛短編集を作って貰いますかな?巴は木葉隠れの忍びを設定で。 (2019年1月25日 17時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - みーさん» ありがとうございます!これからも、よろしくお願いします! (2019年1月18日 23時) (レス) id: fd5968f422 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 続き待ってるよ(^^) (2019年1月16日 7時) (レス) id: 24c83282b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺世 | 作成日時:2018年12月26日 23時