第19章「クロメの純情」 ページ19
貴「シロ、さん…!」
必死の思いで声を上げると真っ赤に染まっていた
シロさんがハッとして何かを呟き手を前に突き出した。それと同時にブワッとエルンドさんが高い位置に浮いた。
貴「助かった…」
イシス「ちょっとー!良いところだったのにー!
アンタだって少しぐらい興奮したでしょー!」
その言葉に何も言わずに浮かしたまま水を飲み始めたシロさんは顔がまだ赤かった。
コップに入っていた水を飲み干してから私の方をチラッと見て私とは逆の方向に顔を向けた
シロ「…あの、うん…ウン…」
なんか初めて会った時の反応みたい…
そう思いながら乱れた服を戻してベットから降りた
貴「あ、その…色々とすみません」
シロ「いや、俺も…その…
止めるの遅くなってごめん…」
イシス「そろそろおろしてよ〜お酒飲みた〜い」
シロ「…」
…これまでにないほどの怖い顔してる…
恐らくこの目は何かを訴えているように見えた
シロ「そんなにおろして欲しけりゃおろしてやるよ
…別の場所に、な」
低いトーンでそう言い捨て、廊下にお酒と一緒に勢いよく飛ばしてから扉を閉めた。
前に突き出した手をおろし、「はぁ」とため息を零してから机に突っ伏した。
耳はまだ赤くて照れているように見えた
シロ「…本当ごめん、」
貴「だ、大丈夫ですよ!えと…ほらっ思春期?ですし!男の人ならある…?と思いますし!」
全くフォローにもなっていない事を言うと
尚更 彼は頰を赤らめしまった
また気まずい雰囲気になってしまい
話は別の機会にしよう、と思い「すみません、また別の機会に話しかけますね」と言いながら立ち上がるとシロさんは私の手を掴み、顔を見せてくれた
まだほんのりと赤く染まった頰に少し震えるような私を引き止めた手。
…ちょっと可愛いと思ってしまった自分がいる
シロ「…ひいてない?」
貴「ひいてないですよ」
シロ「良かった。…ちょっといい?」
そう言うとシロさんは同じように立ち上がり
私の頭を優しく撫でた。
貴「えと、その…シロさん…?」
ふんわりと優しい笑顔で「やってみたかったんだ」と言い、頭から手を離した
シロ「今日はごめんね。…ちょ、ちょっと頭冷やしたい」
思い出したらしく私と目が合わない
貴「落ち着いたときにまた来ても良いですか。
魔法を勉強したくて…」
シロ「…魔法だったら俺よりも良い人いるよ。」
貴「え、誰ですか?」
シロ「…エルンド・シーラ」
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