どうも"ナガノディビジョン"です＿part2

七十六話…？ ページ30

あー、恥ずかしい…
そうこうしているうちに進んでいく大会

二人も会場に着いたらしく白膠木さんと
一度別れて控室に戻った



凍籠咲は自身のマイクを手にしてはめる

真田さんはマイクの手入れをしている

僕はチャームを少しいじりつつ深呼吸した



凍「A、飲み物」

そう言って投げ渡してくれたペットボトルを
片手で受け取りお礼を言った


大分緊張してるのがバレでもしたのだろうか…


真「いつも通りでいいんだよ。
君らしさが武器なんだから」


…僕らしさ、か

僕らしさって何だろ


邪念を振り払いつつ再び深呼吸した
リーダーなんだから僕自身を信じてあげなきゃ


今の現状は…登坂先輩が勝ち進んでいる
映し出された画面の向こう側では楽しそうに
相手を論破していく

凍「なかなかの強敵だよな」

『うん…』


少し元気のない僕に気づいた凍籠咲は
ガシッと僕の肩を抱いた

力強いそれはなんだか安心させてくれる


凍「落ち着いて行こうぜ、別にお前が考えてるほど
真剣な戦いじゃねぇよ。それにもっと強い奴等と
やりあってきてんだ。



お前は十分強えよ」



…




真「泣いちゃうかな？」

凍「泣くな、こいつ」

『泣きません…』



少し潤みかけた涙を堪えて一発頰に殴り
気合を入れる


その様子を見て二人は引いた目線を向けてきた
まぁ急に自身の頬を殴ったらそれは引くよな



凍「そろそろ舞台にあがるか？」

真「そうしようか」


『…よし、行こう』


服を整えて心を決めた








…行こう




司会者の呼ぶ声と共に歩いてステージに向かった
僕らがステージにあがると歓声があがる


だからこそ彼らと目が合った


四「A…さん…？なんで…嘘、でしょ…？」



口をパクパクとさせる十四くんの表情


そりゃ敵だもんね、そうなるよね
また会いにきてくれることはなくなったのかな



自身のマイクを起動させて観客に向けて視線を送ると
あれほどの歓声が一瞬にして止んだ


『今回の大会の出演者、そして見にきた奴ら
この場で会えることができて嬉しいぜ

俺らが現、ナガノディビジョン代表 信濃だ

俺らを知らねぇ奴らもこの後に及んで魅せつけてやるから覚悟しとけよ？』



挨拶もほどほどに




…さぁ、大会の優勝者達がステージへと上がってきた




『…よぉ』

登「楽しみにしてたよ」





ここからが僕らの正念場だ



…勝ちたいじゃない、勝つんだ
それが僕が僕である証明だから

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