どうも"ナガノディビジョン"です＿part2

五十七話…？ ページ11

翌日、朝早くに病院へと出かけて
特に異常はないとのこと


「にゃー」と鳴きながら運転中の僕の膝の上に乗って外を眺める猫

名前だけでもわかればまだ良い方なのに…

少しため息をつくと何故かビクッと震えだした
理由がわからず混乱する僕


『大丈夫だよ、怖くないよ』


信号待ちの時間に優しく撫でてあげると
震えは収まり再び外を眺めていた


前の飼い主に虐められてたのかな…

そう思うと気に食わなくなり
少しスピードを飛ばした



家に着いてから抱き抱えて外に出してから車に鍵をかけて室内へと入る

そろそろ離しても良いかな


床にゆっくりと下ろしてあげると
とてとてと歩き回り出した


危ないものも特にないし大丈夫だろう


「にゃー」


帰りの途中で買っておいた猫用の缶詰とお皿を
用意してあげるがなかなか食べてくれない。

『…食べないと元気でないぞ』


わしゃわしゃと撫でるも水しか飲まない姿に
少し心配を覚える





…しかし




僕が食べようと買ってきたお弁当に反応するのだ
…確かに魚は入っているけれど…


仕方なくお皿に盛った缶詰の中身は別の容器に入れて
一度洗ったあとに骨を取り除いた焼き魚を入れて
おくと普通に食べ始めた



なんか人間みたいだなこいつ



『んー、名前つけてみるか？
えと…黄色がかった黒猫だから…

ムーンとか？』



「にゃー！」


僕の問いかけに反応したかのように猫が鳴いた
もう一度呼びかけてみると鳴いてくる

気に入ってくれたようだ




『飼い主見つけてあげるからな』

そう言って頭を撫でてあげると
嬉しそうに鳴いた





…さて




パソコンの前に座り、起動させて
迷い猫について調べ始める


最近はネット世代だし調べたら出てくるでしょ



そう思って調べてみたものの全く見つからない
逆に人を探しているという記事が出てきたぐらいだ


名古屋、ねぇ
流石に長野にいるわけないだろうし
僕には関係ない話




その時はそう思っていた

そう思っていたんだ…





翌日になるまでは…＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





『んー…ねっむ…』

…なんの匂いだ？なんかキッチンから匂いがする…




眠い体を起こしてキッチンによたよたと向かうと
誰かが立っている




何故だ？何故貴方が居る？









「あっ、おはよう！
凍てつく冷気に襲われながらもその眠りから醒めようとは…なかなかやるな」






『…な、名古屋代表…


四十物 十四さん！？』

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