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1日の始まり ページ3

you side

ガタッ

「イッタ〜」

昨日夜ふかしして読んだ本たちが、バランスを崩して倒れてきたようだ。

窓の外は太陽がのぼり、若葉がユラユラと風に吹かれていた。

「そうだ、昨日本の整理をしようと思って、気がついたら読むのに夢中になってたんだ。」

(ちょっと内容を確認しようと思っただけなんだけどなぁ…)

凝り固まった肩をほぐしながら、まだ痛みが残る部分を労りつつ、ようやく立ちあがる

叔母の形見であるネックレスがゆらりと揺れた

ベランダに出てお日様の光を全身に浴びると、ようやく目が覚めてきた

「んぁ〜、今日もいいお天気ね」

窓の外には、遠い遠くの方に立派なお城が見える
目線を下げると、この村の住民同士が仲良さげに挨拶をしていた

私は、のどかな小さな村「オルボワール」に母と弟の3人で暮らしている。

この村は、王都からは少し距離があり、いわゆる田舎なのだ。
国からの資金援助も貧しいため、住民同士が助け合いながら生活している。

「Aちゃん〜?起きてるの〜?」

階段下から母の呼ぶ声が聞こえる

ハッと時計を見ると、八時十一分を指しているところだった。
母が経営しているお店は八時三十分に開店する。
いつもなら、とっくにお手伝いをしている時間なので心配して声をかけたのだろう

(まずい、寝坊した…)

「はーい!今いく!」

私は急いで動きやすいエプロンに着替え、鎖骨まで伸びた金髪の髪を櫛で梳かした。

(よし、こんなもんかな。あっ……)

部屋には、先ほど崩れた本たちが乱雑に散らばっている。
時間を惜しみながら、急いで本をかき集め勉強机にドサッと置いた。

「よしっ。さぁ急がないと」

Aは角部屋を出て、急いで階段を下り母が待つお店の方へと急いだ。

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作者名:エスメラルダ | 作成日時:2024年1月1日 15時

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