俺がお前を愛してやる。２(吉良ヒロト)

＊彼のジャージ２ ページ25

ヒロトside

あー今日もまじで疲れた…。

練習後、シャワーを浴び肩にタオルを乗せながら長い廊下を歩く。

…後でAの所に行って、癒しをもらいに行くか。
確か監督が一部のマネージャーに各部屋の掃除をするとか言って休憩の際、彼女は既に掃除をしに行っていた。

Aのいねぇ練習なんて、まじでやる気が出ねぇよ。彼女の癒しを充電しにAに会いに行くか。

心の中でそう考えながら、自分の部屋のドアノブを捻り部屋に入室する。


吉良｢………へ？｣

ある光景を目の当たりにした俺は恐らく十秒くらいその場で立ち尽くし状況を把握する。

いや、待て待て待て…何でAが俺のベッドで寝てんだ？しかもよく見ると俺のジャージ羽織ってるし…どっか具合でも悪ぃのか？

びっくりさせないよう、そっと彼女の柔らかい頬に手を当てる。…熱は、ねぇみたいだな。ただ眠くなっただけっぽい。

するとAは両手で俺の手を握り、ふんわりと微笑みながらキュッと俺の手に近づけた。

……おいおいおい。まじかよ、可愛すぎだろ…っ。
普段あまり見せない彼女の甘えるような行動に思わず男心をくすぐらせる。

いつも彼女を照れさす側の俺が珍しく動揺し、少し頬が赤く染まる。

手を握られたまま、俺はこっそり充電してあるスマホを片手にAの寝顔を撮る。

…まじで可愛いな。まじで天使みてぇだな。いや、起きてる時の方が天使並に好きだけどさ。

握られている彼女の手を優しく握り返す。

…相変わらずちっせぇ手だな。
雪のように白くてまるで人形みてぇだな。マシュマロみてぇにふわふわしてるし、堪んねぇなこれ…。

灰崎がいなくてまじで助かった…こんな満悦感に浸ってる俺の姿なんて見られたらのちにどんだけ弄られるか知れたもんじゃねぇ。

気持ち良さそうにすやすやと寝ているAを眺め始める。

…他の奴より一回り小さくて、中学生とは思えないほど小柄で華奢な体つきをしている。
しかし小さい体ながら女の子らしい滑らかな曲線に加え手入れの届いた綺麗な長髪により彼女の小柄さを強調しているかのようだった。

まさか俺のどストライクに当てはまる人が見つかるとは思いもよらなかったな。それほど惹かれたんだな、Aに。


｢…ヒロトさん。｣

やべっ、起こしちまったか？寝顔の写真撮ってるところ見られてないよな…？

恐る恐る、Aの様子を伺う。もしかして夢の中で俺が出ているのか？だとしたらすげぇ嬉しいな…。


｢…ヒロトさん、大好き。｣

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