俺がお前を愛してやる。２(吉良ヒロト)

＊ポッキーゲーム ページ1

吉良｢なぁ、A。今日はなんの日か分かるか？｣

｢…今日、ですか？｣

午前中の練習が終わり、午後は自由時間となり私の部屋に吉良さんが来てくれた。
すると彼はベッドに腰をおろし、どこか楽しげに先ほどの質問を発した。

彼からの質問に私は頭をフル回転させている。
何だろう…11月11日だから……。

｢…わんわんの日ですか？｣

吉良｢ブフォッ！｣

彼は突然勢いよく吹き出し、お腹を抱えながら笑い始めた。
私、そんな面白い事言っちゃったのかな…？

吉良｢わんわんの日って…可愛すぎだろお前。｣

目元に浮かんだ涙を拭いながら、必死に笑いを堪えていた。
…楽しそうに笑っている吉良さんが、何だかとても可愛らしくて、思わずドキッとしてしまう。

少しして、彼はコホンと咳をし口を開いた。


吉良｢正解は…これだ。｣

と、彼のポケットかれ取り出したものは…赤いパッケージが特徴のポッキーだった。

吉良｢11月11日をよく見たら、全部棒になってるだろ？だからポッキーの日っていう風になってんだよ。｣

｢あ、なるほど。そういう意味だったんですね…！｣

そういう見方だったんだ…。
盛大に間違えてしまった自分が恥ずかしい…。

吉良｢今からさ、ポッキーゲームやろうぜ？｣

｢……ぇ？｣

彼は自分の口にポッキーを加え、私の口元に近づきゆらゆらとポッキーを動かしている。

｢えと…これは、どういう意図なんですか？｣

吉良｢お前がそっちのポッキーを加えれば良いんだよ。ほら。｣

ぐいっと器用に私の口の中にポッキーを加えさせ、吉良さんは音を立てながら、クッキーを食べている。

思考がフリーズしたままでいると、私の目の前に彼の整った顔があり、堪らず私は彼から距離を離した。

｢これって…最後どうなるんですか？｣

吉良｢どうって、軽くキスするだけだ。｣

余っていたポッキーを再び私の口に入れ、彼はその反対側を加えている。
今度は後頭部を両手でガッチリ固定されてしまい、逃げ出そうにも出来なかった。

そうしてる間に、彼との距離はほぼゼロと言っても過言ではないくらいの所まで来ていた。
…恐らく私は今苺くらい顔が赤くなっていると思う。

だって…こんなに近くなったら、緊張する他ない。

すると彼は躊躇なくポッキーを食べ続け、ふにっと触れるだけのキスをされた。
チョコの味が口の中に入ってきて、普段とはまた違うキスのように感じる。

頭に湯気が出ており、私は無言で両手で顔を覆っている。


吉良｢…足りねぇな。｣

＊ポッキーゲーム２→

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