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Aの素足を見たものは誰もいない。
肌の色から察するに、白い雪のような肌だと分かるが、仕事ではスーツを着用しているため見ることはない。本人にスカートやドレスは着ないのかい、と聞くと、これは樋口さんとお揃いなんです、と答えたためこれ以上聞かなかった。
実は、恋人である鴎外でさえ素足見たことがなかった。なかなかお目にかかれないような綺麗な脚。他人に見せる前に自分が見たいと思っていた。

「Aのこの綺麗な、少女のようなあどけなさが残る脚。これを1番に見れるのは私だと思っていたよ。誰にも見せたくなかったんだがね。」

長椅子に座り込むAはふつふつと顔を紅潮させている。ショートパンツを履いているため、露わになっている白い脚。隣に座っている鴎外はするりと太腿撫でると、彼女の体はぴくりと跳ねた。

「お、怒ってますか…?」

小動物のように震えるAに愛らしさを覚える。しかし今は余裕が無い。男の嫉妬は見苦しいと頭では分かっているが、行動が伴わない。

「いいや?怒ってないとも。」

鴎外はAの前に座り込み、太腿を優しく持ち上げた。そして、腿の内側を唇で触れた。

「も、森さん…?!何を…!」

「ケダモノ達の欲を煽らせたくないからね。」

そんなこと、とAは抵抗しようとするが、それを無視し口付けを続けた。最初は口付けだけだったが、ちり、と朱を散らし始めた。1箇所、2箇所…と、独占欲の証が増えていく。

「あっの、これ以、上は」

手で口元を覆いながら恥じらうAは、呼吸も荒く瞳が潤んでいる。ごくりと唾を飲み込むと、内側がもぞもぞと波立つのを感じた。このまま食べてしまおうかと思ったが、踏みとどまった。

「これで、他の男は君の脚を見せられないね。」

怪しく鴎外が微笑むとAは「はい…。」と弱々しく返事をした。

Aの腿の朱色を見ることは出来るのは、鴎外の特権である。

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設定タグ:森鴎外 , 文スト , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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あとり(プロフ) - さらささん» ありがとうございます;;ちょっぴり苦いお話にしちゃってすみません;私の確認不足でした… あああ本当ですか!嬉しいです……!!これからも精進して参ります! (2019年12月15日 19時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
さらさ - すてきな話をありがとうございます 森さんも夢主ちゃんもお互いに想いあっているみたいだけど色んな思いが交差してもう一歩踏み出せない感じですね リアル感があってとてもいいです いやあ 作者様の文才がうらやましいです これからも無理のない様に頑張って下さい (2019年12月13日 15時) (レス) id: a0220cc930 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 白しらすさん» ありがとうございます!!とても嬉しいです…! (2019年10月26日 17時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
白しらす(プロフ) - ( ゚∀゚):∵グハッ!!かわいい...かわいいぞここの森さん!!!!!好き!!!!!! (2019年10月25日 1時) (レス) id: 71d6bb7d16 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 凛さん» ああああありがとうございます;;上手くかけてるかとても心配だったので嬉しいです;;こちらこそリクエストありがとうございました! (2019年10月18日 21時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あとり | 作成日時:2019年6月16日 23時

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