【鬼滅の刃】報われない女の子の話。【竈門炭治郎】

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酒を買いに行く父上を横目で見送った後、炭治郎がいるであろう客間へ移動する。


『やっほ、炭治郎回収しにきたよ』

「「姉上！／A！」」

『何で抜け出しちゃうの炭治郎』

「ご、ごめん…」

『…気持ちは分からなくも無いからいいよ。でもこれからは絶対安静。治るものも治んないから』

「はい…」

「姉上、父上は…？」

『お酒買いに行ったよ』

「そう、ですか…」

『…千寿郎、さっきの聞いてた？』

「へ！？あ、いや…！」

「…さっき？」

『炭治郎は知らなくていいよ。千寿郎、貴方が気にする事も無いからね？大丈夫よ』


と、座ってる千寿郎の前にしゃがんで頭を撫でる。

千寿郎は嬉しそうな、でも悲しそうな顔をして私を見た。


『さて、そろそろ帰るよ炭治郎。しのぶさんのお説教が待ってるから』

「う、はい…」


禰豆子ちゃんが入った箱を前に抱え、炭治郎をおんぶする。

千寿郎と横並びで歩いて玄関まで送ってもらう。


『それじゃ千寿郎。また落ち着いたら来るね』

「はい。お気を付けて」

『千寿郎も。体調崩さないでね』

「…あの、姉上」

『うん？』

「自分の気持ちは、大事にしてあげてください…」

『…そうだね、ありがとう』


『千寿郎もね』と言って、背を向ける。

何故だか分からない。でも何だかぐちゃぐちゃした気持ちが渦巻いたまま、私は蝶屋敷へと歩き出した。


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