45 Rabbit 入間銃兎という男 ページ46
「今、Aさんが私に何かをしたところで私を落とすことは出来ませんよ」
『……え、』
急な銃兎さんの言葉に、がん。と鈍器で頭を殴られたかのような衝撃を受ける。
え?振られた?……これは、振られたって捉えないといけないよね……。
「それに、貴方の宣戦布告も意味ありませんでしたね」
『っ、』
じわりと視界が霞んでしまう。
それを見てまた銃兎さんはくすくすと笑う。
「私の言ってることがわかりませんか?
……俺はもうすでにお前に落ちてるんだよ」
そう言って彼はニヤリと笑う。
『は?』
「じゃないと口にキスなんてしませんよね」
銃兎さんは私の顎をクイッと持つ。
「……私は好きでもない人の写真をスマホの待受画面にしないし、看病だってしないし、頭を撫でたりしませんし。応援だってなにも感情を持たない相手にされたくありませんね。
……ここまで言えば流石にAさんでもわかりますよね?」
『……っ、』
顔に熱が集まるし、涙はボロボロ目から落ちていくし……。
思うことはただ一つ。
『こんなの……嬉しすぎますよ、銃兎さん。……大好きです』
また口から出た。でもいいんだ。この言葉は隠すつもりないから。
銃兎さんはくすりと笑い、私をふわりと抱きしめた。
「本当に……貴方には敵わない。
私はAさんのそういう素直なところに惹かれました。
貴方は私と違ってとてもキラキラと輝いていて。いつの日からか、私の心の支えとなったんです。
好きですよ。…………A」
『!!』
また、名前で呼ばれた。
心臓が、きゅう、となる。
少し銃兎さんから離れ、目を合わせる。
銃兎さんはにこりと笑っていた。
全然胡散臭くない笑顔で。とても嬉しそうに。
……その笑顔、かっこよすぎて反則って絶対自分でわかってないですよね。
『……っ私も銃兎さんが好きです!!大好きです!!
……私と、付き合ってく、っっっ!?』
付き合ってくださいって言おうとしたら口に人差し指を当てられた。
「それは俺から言わせろよ。
……Aは俺にとって初めての心許せる女性だ。
絶対にお前を守ってみせる。だから。
……俺と付き合え」
彼はニヤリと笑い、顔を近づけた。
全く…告白も上から目線なんですね。銃兎さんらしいけど。
それになんですか、その笑顔。さっきまで爽やかな笑顔だったじゃないですか。
だから私は満面の笑みで言ったんだ。
『うわ、胡散臭い』
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胡瓜しらす(プロフ) - キエェェェエエェェェエエエエエェエェェエエエエエ尊い………… (2021年4月25日 16時) (レス) id: 25950665d2 (このIDを非表示/違反報告)
目玉焼きポン酢 - 最高すぎます (2021年4月2日 13時) (レス) id: 2041172a3b (このIDを非表示/違反報告)
ヒプマイlove - 最高すぎです。もうなんなんですか!キュン死するかと思いましたよ!大好きすぎてどうしたらいいんですか。本当にありがとうございました。こんなに素敵な小説初めて出会いました!!かっこよすぎ!次、理鶯さん(最推し)がいいな…(上目遣い)すみません。図々しくて… (2019年8月30日 0時) (レス) id: 8a3696dd70 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ヤバいです!カッコよすぎる銃兎さん…!!応援してます!これからの作品もがんばってくださいね! (2019年8月1日 16時) (レス) id: 86ef9860a7 (このIDを非表示/違反報告)
メビウス(プロフ) - 返信がとても遅くなってしまってすいません(--;) 45Rabbitのところに気づいてもらえて嬉しいです!地味に数合わせ苦労したので...(;´ω`) 最後まで読んでくださってありがとうございました!! (2019年6月5日 1時) (レス) id: 75ad7ad27c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メビウス | 作成日時:2019年2月16日 18時