文豪達がゴキブリと戦うようです。【文スト】

谷崎潤一郎の場合。 ページ7

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「ひぎゃあああああ！？！？」



明らかにご近所迷惑な叫び声を上げ、谷崎は後ずさる。
視線の先にいたのは、奴だ。
探偵社東のヘタレである彼は、叫び逃げ惑う事しか出来ない。

例によって、頼りになる妹ナオミは買い物に行っている。


彼の頭なら、異能を使えばこの状況を打開出来ることが判ったはずだ。
それもできないとは、今の彼は無力に等しい。



「ぎゃああああああああ！！」



奴が必殺技である「とびはねる」を使った。
コイ〇ングが使えば物凄く役に立たないが、彼らに取ってそれは強力な技であり、我々人間にとって脅威である。

もうダメだ、と谷崎が目を瞑った瞬間、


シューーーーー、と云う音が部屋に響いた。


目を開けた谷崎の視界に入ったのは、見覚えのある美しい黒髪、そしてセーラー服。
振り向いたその顔は、何度も見たものだった。


「………兄様、大丈夫ですか？」

「………惚れても善いですか。」



質問を質問で返した谷崎だった。




「お強い兄様も素敵ですけど、弱々しい兄様も素敵でしたわ！ 思わず守ってあげたくなります…」

「ナオミ、判ッたから取り敢えず部屋を片付けよう………」

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