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ルイ、と名乗ったその少女は俺よりも4つも年上で、
普段は遠くの高校に通っているのだが今は冬休み中で帰省していると言った。
「きみは？なんでこんな寒いところにいるの？」
「きみじゃない。綾瀬A。
今日はお母さんが仕事休みだから。」
「お母さんのこと嫌いなの？」
「嫌いじゃないよ。
世間一般の家庭からしたら仲良い方だと思うし。」
でも、なぜか今日は家にいたくなかった。
それがどうしてなのかは自分でもよくわからない。
“友だちとちょっと遅くまで遊んでくる“
そんなしょうもない嘘をドキドキしながら母親に告げ、
心配する母親を振り切って家から飛び出た。
実際ちょっと遅くまで遊んでくれる友だちなんていないし、
いくあてもない僕は家の近くにあるブランコしかない小さな公園でぼーっとしていた。
こんなへんぴな公園だれもこないでしょ、と思っていたのに、
ずいぶん変わった女子高生もいたもんだ。
「反抗期ってやつね。」
カラカラと笑いながらそう言った彼女に訂正の言葉も入れる間も無く、
彼女は適当なことを話し始めた。
「わたしは反抗期とかきたことないからよくわからないんだけど、2歳年下の従兄弟がいてね。
その子の反抗期がいつきてもいいように、色々シュミレーションしてるから、
きみももしどうしようも無くなったら言ってね。」
本当に訳のわからないやつだった。
だけどあっけらかんと笑う彼女に、
自分のよくわからないモヤモヤが一気に吹き飛ばされたのだった。
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作者名：名も無き者
x他1人 | 作成日時：2021年10月18日 17時
