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「勘弁してくれよ、Aさんやい。」
「相手くらいいつでもしてくれよ、ししょー。」
「都合のいい時だけ師匠呼びしやがって。」
カン!カン!とスコーピオン特有の軽い衝撃音が白い空間に響き渡る。
「もう俺からお前に教えることなんてないんだけど。」
「別に何も教わる気ないし。
暇だから相手してもらいたいだけ。」
「何、まぁた別れたの?」
困ったように笑う男、迅悠一は俺をボーダーにスカウトした張本人であり、
俺の師匠でもある。
「別れたというよりは振られた。」
「だってさー!!聞いた?
小南!京介!!」
『ばっちり。』
上から降ってくる楽しそうな声にため息を一つこぼす。
この人たちは人の不幸を心の底から楽しみやがる。
『大体Aに彼女できること自体おかしいのよ。』
「彼氏できねえやつに言われたかねえよ。」
『あたしはできないんじゃなくて作らないのよ!!』
キャンキャン吠えまくる小南の声に色々萎えて、
自分のトリオン供給器官にスコーピオンを突き刺して真っ白な空間を出た。
自動ドアの向こうには栞ちゃんのパソコンの画面を覗き込む小南と京介の姿があった。
「うわ、出てきた。」
「お疲れ様です。」
「京介、久しぶりー。」
触り心地の良いふわふわの頭に手を差し込んでわしゃわしゃする。
「あやちゃん、また身長伸びたねぇ。」
「180届いたからな。
小南は身長縮んだんじゃね?」
「縮んでないわよ!!」
「でも、知ってた?
朝牛乳飲むと背縮むらしいよ。」
「え!!?嘘!!」
「うん、嘘。」
「A!!!!!」
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作者名:名も無き者 x他1人 | 作成日時:2021年10月18日 17時