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「Aって風間隊の秘蔵っ子のことか！」
見えなかったー、と言った米屋は俯くAを視界に入れた。
「ようすけ先輩はAと知り合いなのか？」
「ちょっと前に秀次といたときに逃げられたんだよ。」
「ふむ、にげたのか。」
「ごめん、さい。」
小さく謝ったAに米屋は笑顔のまま、軽く頭を撫でた。
「俺たちもごめんなー、急に騒ぎ立てて。」
てか、お前ら知り合いだったのな、
そう言った米屋に遊真はAと知り合った経緯を話した。
「へぇー世間って案外せまいよな。」
視線を彷徨わせているAに米屋は手を出した。
「改めて、俺米屋陽介。
秘蔵っ子ちゃんのAは？」
「･･･真谷Aです。」
小さな手で恐る恐る米屋の手を握る。
その仕草に米屋はいるはずもない妹を連想させた。
「ポジションは？」
「射手、です。」
「へぇー、弾バカと一緒か。」
「弾バカ？」
「おう、太刀川隊の射手だ。」
「ししょー、？」
ぽつり、
小さくつぶやいたAに出水は目を大きく見開いた。
「あいつの弟子！？」
「･･･太刀川隊の射手ってオサムが教えてもらってる人のことか？」
「ししょー、たまに知らない人教えてる、から、
たぶん。」
三雲が出水に教わるようになってから、
少しだけ自分が教わる時間が減ったのでAは寂しさを覚えていた。
「うわ、もし攻撃手やりたかったら俺に言えよ！
槍教えてやるから！」
「槍バカ、？」
「そっちは聞いてるのかよ！！」
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2021年2月7日 23時
