【歌い手】男装海賊少女は赤を望む

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坂田「柚里遅いなー。」




平助「…そうだな……まだ寝てるのか？」




坂田「でもさっきまで一緒にいたやんか。」




平助と柚里は坂田と共に武道場の二階の一角の部屋に寝泊まりしていた




朝、いつも通りなかなか起きない坂田と柚里を平助が起こし、朝飯を食べ、着替えた




いつも通り




しかし、稽古場に降りてきたのは二人だけだった




稽古場には他の受講生が集まっている




坂田「……ちょっと俺柚里探してくるわ！！」




平助「始まる前にもどれよー？」




坂田「おー！！」




坂田はまず、部屋に向かった




しかし、そこに柚里はいない




坂田「どこ行ったんや……？」




玄関に向かい草履を履く




坂田は走り回った




坂田「おばちゃん！柚里知らん？」




「柚里…？ああ、あの子ならさっきそこの路地に入ってったけど……。」




少しして聞いたのは武道場から400mほど離れたところにある路地に入ったという情報だった




坂田は路地に入った




しばらく行くと開けたところに出た




坂田「あ！柚里！！」




視界に地面に座り込み壁に背を預けている柚里が入る




坂田は駆け寄り肩を揺らした




坂田「柚里、帰るで！もう稽古始まって……まう………っ、柚里！？」




柚里はずるずると壁に沿って倒れた




倒れた柚里は口から…紅い血を、垂らしていた




坂田「っ！？柚里！！！！」




坂田は柚里を揺すった




しかし、柚里は起きない




ふと触れた体は冷たかった




？「坂田…？…っ、お前！！何を！？」




後ろで聞こえた声に振り向くとそこには平助が立っていた




坂田「へ、いす…け……ゆ、柚里が…し、しん…で……！！」




平助は顔を歪ませながら走りより




坂田を突き飛ばした




坂田「え…。」




平助「柚里！！柚里！！！」




平助の声が聞こえたのか町の人たちが集まってきた




武道場の人たちも




正興「平助、それは……柚里か……？」




近づいてきた町の人たちの中、武道場の師範である正興が聞く




平助「し、ししょ……柚里、死んでる……！！」




「なんと…！」




「柚里が！？」




町医者が近づき柚里を見た




医者「打撲跡が多すぎます…。切り傷も、首を絞められた跡も……。殴られ、蹴られ…その果てに……。」




「なんて酷い……。」




「誰がやったのだ！！」




「人殺しだ！！この中に人殺しがいるのだ！！」




その時、平助が憎々しげに声を出した









平助「……柚里を殺したのは、坂田だ。」




坂田「は……？」

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