【歌い手】男装海賊少女は白を望む

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島の名前はナオワ島




小さな島だが、島人たちは互いに助け合いながら生きていた




ただ、その島にはある掟があった




この島では10年〜15年に一度の確率で、白い髪と赤い目を持った子供が生まれていた




その子供のことを彼らは“レホルード”、または“忌み子”と呼んでいた




掟一 レホルードは産まれた次の日に教会に入る




掟二 レホルードは外に出るべからず




掟三 レホルードは脱走した場合、ほほに刺青を入れる




掟四 レホルードは裁付者に逆らわない




掟五 レホルードは産まれてからちょうど11歳の日に殺す




掟六 教会には裁付者以外立ち入るべからず




ある年、ある夫婦の間にレホルードが産まれた




夫婦はレホルードが産まれたことに恐怖を感じ、その日に自 殺した




赤子は家に残された




泣きわめき、両親を呼ぶ




しかし両親が来ることはなかった




来たのは、彼ら




裁付者だった




赤子はすぐに教会に入れられた




そして、まふまふという名をつけられた




赤子は暗闇の中で育った




……訳ではなく、五歳までは教会にあるある部屋で育てられた




そして、五歳からはあの暗闇の部屋で過ごすのだ




なお、これは今までのレホルードと同じである




赤子……いや、まふまふは物心ついたときから、外に出たいと望むようになった




しかし、彼は自分がレホルードであることも知っている




だから、裁付者に言うことはできなかった




けれどまふまふは諦められなかった




どうしても、外に出たかった




そして9歳の冬




彼は外へ飛び出した

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