百四話 ページ4
「じゃあボクの為に生きてください」
白牙さんには他の誰かではなく、ボクの為に生きて欲しい
ボクだけがいれば何もいらない
「貴女の生きる意味に、ボクがなります」
それくらい根の深くまでボクの存在を刻み込みたい
歪だ
これは愛などではない、愛と呼んではいけない
もっと別の歪んだ何か
「ボクは貴女がいないと生きていけない」
大きく見開かれる灰色の瞳
どうやら涙は引っ込んでしまったようだ
「...馬鹿言わないで...そんなヤワじゃないでしょ」
酷く潤んだ瞳でボクを睨みつける白牙さん
ボクはフルフルと首を横に振った
「いいえ、ボクは貴女や自分自身が思うより頼りなく弱い、そして何より貴女に依存している」
自分でそう言っておきながら、自然と溢れる笑み
まさか、ここまで誰かに執着するなんて
我ながら呆れる
ここまで拗らせてしまうなんて
「再会するまでの百年間、いつも貴女のことばかり考えていました。貴女を一緒に連れて来なかったことを幾度も悔やみました」
「そのくらいボクは貴女に依存してるんです。もう絶対手放したりしません、だから...」
だけど、これは紛れもなくボクの愛だ
「どうか傍にいてください」
だからどうか、はい、と頷いて
この愛をどうか否定しないで
「なんで...なんでそんなこと言うかなぁ......」
再び零れ落ち始める涙
「どうしていつもそうやって......ずるい、ずるいよ、浦原は」
そう言ってポカポカとボクを殴り始める白牙さん
「すみません、でも、全部本当のことですから.......わっ」
突如、殴るのをやめたかと思えば、いきなり首に手を回しボクにギュッと抱き着いた
急すぎて後ろに倒れそうになったが、ボクは何とか堪え彼女を抱き締め返した
「浦原は何も言わずに私を置いていった癖に、私には
「はい、そうですね」
「けど、私はそれ以上に身勝手で、浦原が殺すって約束勝手に結んで浦原を縛り付けた。最低な奴だよ、ほんと」
「全くです」
彼女の目から一筋の涙が伝う
「それでも、浦原は
そんなの初めから答えは決まっている
「はい、勿論です」
微笑みながらそう答えると、彼女もつられて微笑んだ
嗚呼、なんて温かい
180人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明里香(プロフ) - そう言って頂けると有難いです。きつい物言いになってしまうことで他の方から反感を買うことが多く、不快にさせてしまいます。気を付けるように致しますが、よろしくお願い致します。 (8月3日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
狗犬(プロフ) - 明里香さん» いえ、おかげで間違えを修正できたので大変助かりました。本当に有難うございます、まだまだ未熟ですが、頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。 (8月3日 21時) (レス) id: c4cd770524 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - こちらこそ、きつい物言いになってしまい、申し訳ありませんでした。楽しく読ませていただいています。頑張ってください。 (8月3日 18時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
狗犬(プロフ) - 明里香さん» 大変申し訳ございません。御指摘有難うございます、修正させて頂きました。 (8月3日 0時) (レス) id: c4cd770524 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 112話、月島秀一郎じゃなくて、月島秀九郎です。 (8月2日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:狗犬 | 作成日時:2022年10月18日 23時