【NARUTO】愛は心を壊す病のように

愛病 百四十六話 ページ46

扉間side

｢貴様、名は｣

｢...イオリ、うちはイオリだ。千手の者よ｣

此奴以上に美しくて強い女と俺は生涯出会うことは無いだろう

その者の名はうちはイオリ

うちは一族の双子の片割れ

女子だと言うのに、最前戦で刃を振るい、自身の肌に傷をつくることも厭わない

｢遅いな、お前｣

手を伸ばそうも、一生届くことはない

孤高の存在だった











イオリは兎に角芯が強く、揺るがない

｢うちはであるこの私が、受け入れられるはずがなかろう｣

｢...少なくとも俺や兄者は受け入れている｣

｢柱間殿は分かるが、お前がか？｣

顔色ひとつ変えず動じない女だった

｢冗談はよせ、千手とうちはは相容えぬ存在だと言うことをそのお堅い頭が理解していないはずがない｣

｢それはお互い様だろう｣

｢しかしまぁ爺婆は頭が固くていけ好かない、婚姻と言う名で千手に私を縛り付け囮にし、我が兄の動きを封じていやがる｣

｢おい、口が悪いぞ｣

かつての敵であった俺との結婚を己の一族の為故に平然と受け入れ、隣に立つイオリは出会った当初と何ら変わらない













俺には分からなかった

何故、この婚姻をイオリが受け入れたのか

最愛の双子を手にかけた男との婚姻を

｢お前は俺が憎くないのか？｣

｢憎いよ、殺したいくらいに｣

｢ならば、何故｣

殺したいくらい憎い相手の筈なのに

｢お前を愛してしまったからだ｣

愛してしまったのだ

愛し合ってしまったのだ

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