【NARUTO】愛は心を壊す病のように

愛病 百十九話 ページ19

｢私、二人のことが大好きだった。それは今でも変わらない、私は兄さんたちを愛してる｣

｢でも、イタチ兄さんがいなくなっちゃって...それからサスケ兄さんだけが私の全てになった｣

あの日からずっと私たちは二人だけで生きてきた

｢サスケ兄さんまでいなくなったら、私...｣

｢......ツバサ｣

俯き両手で顔を覆い隠す私の背中を、隣にいる紅先生が摩る

｢大丈夫だ、ツバサ。ナルトには伝説の三忍のうちの一人である自来也様がついてる。それにそんなことには絶対にさせないさ、このオレがな｣

そう言ってニカッと歯を見せ笑うガイ先生

｢有難う...ございます.......｣

嗚呼、なんて私は弱いのだろう

兄さんがいなくなると考えただけで

胸が張り裂けてしまいそうで

それだけで

心が壊れてしまいそうだ









『兄さん...今日、手裏剣術の修業につき合ってよ』

玄関で座って靴を履くイタチ兄さんに、サスケ兄さんがそう言う

私はサスケ兄さんの背中に隠れ、イタチ兄さんの様子を伺っていた

『...オレは忙しいんだ...父上にでも教わればいいだろう』

『だって、手裏剣なら兄さんの方が上手だって...子どものオレでも分かるよ』

『..........』

『...兄さんはそうやって、いつもオレを厄介者扱いする』

中々、"うん"と言ってくれないからか、サスケ兄さんが唇を尖らせる

すると、チョイチョイとイタチ兄さんが手招きする

それを見たサスケ兄さんは、嬉しそうに駆け寄る

が、

『許せサスケ......また今度だ』

イタチ兄さんはそう言って、"トン"と額をこずいた

これはイタチ兄さんの癖みたいなものだ

私も昔、よくこずかれてたな

地味に痛いんだよね









『ツバサ、そんなに泣くな、目が腫れるぞ』

私が泣いていると、傍で慰めてくれたイタチ兄さん

『サスケ、ツバサ、また今度だ』

私の、私たちの大好きなイタチ兄さん

とっても優しくて、かっこよくて、私たちの憧れだった兄さん

『父さん!!母さん!!』

『兄さん!!父さんと母さんが!!なんで！どうして!!いったい誰がこんなこ....』

『愚かなる弟と妹よ』

『弱い奴に興味はない』

私に向けられるのは酷く冷たい瞳

口から発せられるのは酷く冷たい声

イタチ兄さんは、あの日を境に変わってしまった









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テスト期間に入った為、なめくじ更新になります

ご了承ください

２０２１/０５/１３

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