百五十二話 ページ2
それから巻物を見て必死に練習した
祖母のところへ毎日のように通い、何度も何度も術の修得を試みた
イタチ兄さんに憧れを持っていた私は、歳を重ねる事に強くなりたいという気持ちは増していき
他の女の子のようにお洒落しておめかしすることや可愛いぬいぐるみや花を集めたりすること、そっちのけで修業に励むようになった
日に日に増えていく擦り傷や痣
お母さんは正直あまり良い顔はしなかったけど
お父さんやイタチ兄さんは褒めてくれた
それが嬉しくて、私は修業により励んだ
ある日、修業に使えそうな物を祖母の家の物置で探していたときのことだった
「ん?なんだろ、この刀...」
一本の刀に目が止まり、私はその刀の方へと近寄った
椿の模様が施された鞘
あまりの綺麗さに私は魅了された
「ツバサ、どうかし.......?!」
刀の前で突っ立っていると、祖母がやって来て
刀を見た途端、見たことないくらい大きく目を見開いた
「...嗚呼、ここにいらしたのですね母様」
そして、何かを懐かしむ表情を浮かべながらそう呟いた
「おばあちゃん?」
「.....この刀はね、私の母、ツバサのひいおばあちゃんの刀なんだ。何処に置いたのかと思っていたけれど、まさかお前が見つけるとはねぇ」
クシャりと私の頭を撫でる祖母
何処か嬉しそうな祖母の表情に、私は良い事をしたのだと自分も嬉しくなり笑った
それから私が一人前の忍になったら授けると祖母から言い渡され、その場であまりの嬉しさから祖母に抱き着いたのを覚えている
あの日
「イタチ兄さん...?」
あの時
「このオレを殺したくば、恨め!憎め!」
うちは一族が実の兄の手により惨殺された日
「どうしてこんな.....そんな!嘘よ!」
私は自分を呪った
自分の無力さに愚かさに全てに
絶望した
どうして私を生かしたの
どうして私を殺さなかったの
イタチ兄さん
どうして、どうして
「......強くならなきゃ」
でも、死にたくない
生きなきゃいけない
そう何かが、誰かが私を突き動かす
思えばあのときもそうだった
気が付けば私はあの刀を手に取っていた
兄を止めなければ
片割れを守らなければ
二度とあんな思いをしない為に
私が強くならなくては
「そうだ、それでいい」
そう誰かが耳元で囁く
世界が闇に覆われていく
105人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
狗犬(プロフ) - シルビア★姉貴さん» コメント有難うございます!申し訳ないのですが、スラムダンクは詳しくなくて、合作のお誘いは嬉しいのですがすみませんm(_ _)m (4月30日 19時) (レス) id: c4cd770524 (このIDを非表示/違反報告)
もも - ふわちょこ@キメラリさん» 見た〜〜〜!! (4月29日 18時) (レス) id: 090ee67cb9 (このIDを非表示/違反報告)
ふわちょこ@キメラリ - ももさん» あと他の人の小説でこういうことするのも良くないけど、ももちゃん!水未ちゃんの小説見てくれ (4月29日 18時) (レス) id: 7020b21f02 (このIDを非表示/違反報告)
もも - ふわちょこさん» うぇ?! (4月29日 18時) (レス) id: 090ee67cb9 (このIDを非表示/違反報告)
ふわちょこ - ふわちょこさん» 誰ですかあなた。なりすまさないでください? (4月29日 18時) (レス) id: 7020b21f02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:狗犬 | 作成日時:2024年1月2日 1時