愛病 四十七話 ページ47
「ひっぐ...ひっく.....」
縁側に座って泣きじゃくる小さい頃の私
いつまで経っても泣き止む様子はない
「ふぇぇ.........」
顔はもうグシャグシャで、袖はビショビショ
「な、泣かないで、小さい頃の私」
泣き止まない小さい頃の自分を放っておけない
私はそう声を掛けるが聞こえるはずもなく
「...困ったなぁ」
そう呟き私は頬を搔いた
「やっぱりここにいた」
どうしようかと困っていると、イタチ兄さんがやって来た
イタチ兄さんは小さい頃の私の隣に座る
そして、そっと頭を撫でた
「ツバサは相変わらず泣き虫だな、そんなに泣くと目が腫れるぞ?」
軽く笑いながらそう言うイタチ兄さん
...そう言えば私が泣いてると隣に来ていつも慰めてくれたっけ
「だっ、だって...私...サスケ兄さんに大嫌いって..」
小さい頃の私がすすり泣きながらそう言うと、イタチ兄さんは目を見開き驚いた
かと、思うと、直ぐに目を細め微笑んだ
てっきり遊んでもらえなくて拗ねて泣いてると思っていたのだろう
「本当のことじゃないんだろう?ツバサは心配症だな、サスケだって分かってるよ」
「で、でもっ...」
「大丈夫、謝ればきっと許してくれるよ。サスケもツバサと同じで優しいからな」
不安がる小さい頃の私の頭を、イタチ兄さんはわしゃわしゃと撫で回す
「うん!....あ...サスケ兄さん」
元気よく返事をしたあと、小さい頃の私は隠れて此方を見るサスケ兄さんを見つけた
「ご...ごめんなさい、サスケ兄さん。本当は兄さんのこと大好きなの、お願いだから、私のこと嫌いにならないで」
小さい頃の私は恐る恐る口を開き、サスケ兄さんに謝った
発された言葉は後ろにいけばいくほど、小さく弱々しくなっていく
「...嫌いになる訳ないだろ、ほら早く泣き止んで一緒に団子屋さんごっこするぞ」
「え...いいの」
恥ずかしそうに頬を染めそう言うサスケ兄さん
「それが終わったら、修行だからな」
「うん!」
小さい頃の私の表情はパアッと明るくなる
その表情は嬉しそうで、凄く幸せそうだった
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狗犬(プロフ) - マナさん» はい、構いませんよ。 (2021年5月9日 10時) (レス) id: 53877cb946 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 作者さん質問してよろしいでしょうか?? (2021年5月9日 6時) (レス) id: adb8954dbb (このIDを非表示/違反報告)
狗犬(プロフ) - 瑠威さん» 有難うございます!更新、頑張ります! (2019年12月10日 22時) (レス) id: 53877cb946 (このIDを非表示/違反報告)
瑠威(プロフ) - すっごく好きです!!是非最後まで書いてください!更新、楽しみにお待ちしてます!! (2019年12月10日 20時) (レス) id: a109e2f894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狗犬 | 作成日時:2019年12月8日 20時