【NARUTO】愛は心を侵す病のように

愛病 二十一話 ページ21

結局、ツバサ以外、この演習の意味を理解出来る者はいないままお昼の時間に

忍者をやめろ、と言えばギャーギャーと騒ぎ立てるナルト

そのあとに、ツバサ以外、という言葉に反応したのか、３人はツバサに視線を向けた

その視線にツバサは縮こまり俯く

３人に睨まれ、責められているとでも思っているのだろう

どうやら鈍感な上に少し臆病らしい

「大丈夫だ、誰もお前のことを責めたりなんかしてないよ」

そう言えば心做しかツバサの表情は和らいだ









「チームワークを乱す個人プレイは、仲間を危機に陥れ殺すことになる...例えばだ」

それから演習の本来の目的を教え、個人のダメ出しをした

「サクラ！ナルトを殺せ！さもないとサスケが死ぬぞ！！」

そのあと、俺はサスケの首元にクナイを突きつけそう言った

...?!

次の瞬間、ヒシヒシと痛いほどに伝わってくる殺気を感じた

感じる方を向けば、そこには恐ろしい程に冷たい眼をしたツバサがいた

暫くして、ハッと我に返ったように目を見開くツバサ

その手にはクナイが握られていた









わんわんと泣く子どもとは違い、俺の腕の中で静かに泣くツバサ

いや、違うよ

俺が泣かせたんじゃないからね？

しっかし、本当にこの子って１２歳？

年齢の割には冷静だし、物分りもいい

顔立ちだって、幼さはあるけど大人びてる

俺は思わず年齢を疑いたくなった

けど、泣いてるとこを見てると、やっぱりこの子も子供なんだなぁって思った

俺とは全く大きさの違う小さな小さなツバサ

守りたいだなんて、俺は柄にもないことを考えていた

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