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晩餐会の出席者 ページ6

?「晩餐会だけでも憂鬱だっていうのに…」

そう呟いた男性の言葉と背中は、この状況を冷たく拒絶して見えた

階段を下った先に、もうひとつ新しい人影が見えた

?「時間通りに来ている人もいるんだから、ちゃんと来ないとダメだよ」

その澄んだ声音と優雅な佇まいに、思わず息をのむ

(…雰囲気的に、この屋敷の主ね)

?「こいつ、お前が使っているあの扉から来たって言ってたが…お前が?」

?「いいや、違うよ」

?「なに?」

とりあえず尋ねてみるか

『とりあえず…ここは何処でしょう?』

『できれば元の場所に戻りたいのだけれども…』

そう問いかけると男性は困った笑みを浮かべる

?「んー…」

「今はこれ以上話しても、混乱を招いてしまいそうだから…」

「立ち話もなんだからね。…まずは一緒に晩餐でもどうかな?」

(仕方ないわ)

『…えぇ、せっかくですし、ご一緒させていただきますわ』

「良かった、晩餐会を終えたら、君の質問に答えよう」

ガチャリと執事の男性によって扉が開かれる

『まぁ、素敵』

その先には洋画で見るような大テーブルが設えてあり、席には既に4人の男性の姿があった

?「……」

ひとりは、先程会った冷たい美貌の男性

他の人は

?「こんなに待たせるなんて、どういうことつもりだ?」

「あと数秒遅れていたら、席を立つところだった」

苛立たしげに指先で机を叩く男性の横で、もうひとり声をあげる

?「まあまあ。そんな風に怒ると、お腹が空くよ」

?「…ったく、兄さんももっと怒れよ」

(…2人は兄弟なのね、雰囲気が正反対だわ)

?「あれ?」

柔らかな雰囲気の男性の目が、私に留まる

?「お客様かな、よろしくね」

『…えぇ』

さらさらな金髪とその笑顔は、まるで天使のよう

(随分雰囲気が柔らかいわね…安心できる)

(作り物の笑顔でもないし…ね)

?「…『お客様』?」

柔らかな雰囲気の男性と私のやり取りに反応するように、並びの席に座っていた男性がこちらを向いたかと思うと、そのまま目を逸らされてしまった

(あら?)

その反応に少し驚いていると、男性は視線を逸らしたまま声をあげる

?「誰かしらないけど、席ついたら?」

「…先頭のアンタがボーっとしてると、後ろが迷惑だと思うんだけど」

?「アイちゃん、優しいー」

?「だから、その呼び方…!」

アイちゃんと呼ばれた男性が眉を寄せた瞬間、ぱんぱん、と手を叩く音が響く

?「はい、このくらいで」

たしなめるようにその場の全員に笑みを向ける

乾杯と料理→←晩餐会へのお誘い



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作者名:朱華 | 作成日時:2021年1月24日 19時

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