ラブソング【朔間凛月】 ページ18
．
『……そうだ、書こう。今までの迷惑行為も、全て、この曲に詰め込んでしまえば』
そう思うと、自然とペンを持った手はスラスラと自動で動くかのような勢いで詞を書いていく。
一応、最低の気遣いとして同性愛とバレないように彼女とする。
『突然現れて、血を飲ませてあげたり、ケーキがクソまずかったり、それでも変に優しい彼女に無自覚だが男は恋をする』
『猫のように気ままな彼女に男は自然とその不思議な雰囲気に連れ込まれてしまう。でも！！』
シャーペンの芯が、ボキッと悲惨な音をあげ折れる。
『
．
そうして、出来た俺の忌々しく、後悔を綴った歌は本当に採用されてしまい、挙句オリコンアルバム1位に入ってしまった。
今までの切ないバラード等とは違い、リアリティーのある、オマケに月永レオではなく俺が作詞したことで注目が集まった。
『……マジか』
俺の予想や理想とは違い、街中でも流れてしまうほどの有名になってしまった。
曲を聴くほど、恥ずかしさで顔が赤くなってしまうくらい。
「やっほー、A」
『…………やほ』
会いたくない人と、街中で会ってしまった。
俺の顔は今真っ青だろう。
後悔を綴っただけではなく、相手への悪口等までが詰まった詞。それを当の本人に歌わせた。
気づいてないか、不安だ……。
早く消え去りたかったのに、引き止められて喫茶店にまで入ってしまった。
「いやー、凄かったね。【LostLove】」
『ねえ、曲名言うのやめて』
自分でも恥ずかしいほどの題名。
放心状態だったからって、わざわざカッコつけて
「これさ、A誰かのこと思って書いたでしょ」
『あ、はは……』
もう嫌だ
「捕まらない
『中途半端な歌詞だけ言うのもやめて』
拷問なの？本当に恥ずかしすぎて泣きそうなんだけど！！
「ヴァンパイアのように俺を薔薇色に噛み付く君……ヴァンパイアって、俺の事？」
『は？いや、えっ違う！！彼女だし！！彼女だし！！』
「本当、A嘘つくの下手だよねー……この歌詞明らかに俺だし、両思いだって考えていいわけ？それとも勝手に振られたって勘違いしたまま終わるとか？」
．
『……へ？』
俺はこのとき、世界一間抜けな声を出したと思う。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 279人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どぽぽ２(プロフ) - apipeさん» 了解です！！ (2019年8月8日 21時) (
レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 宗さんとみかちがいいですか！ (2019年8月8日 20時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ２(プロフ) - apipeさん» キャラ誰がいいですか？？ (2019年8月8日 16時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ２(プロフ) - apipeさん» 分かりました！リクエストありがとうございます^^* (2019年8月6日 7時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - ２人が夢主が好きで夢主にアピールしてるのに全然きずかないのが見たいです。 (2019年8月5日 23時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
