【あんスタ】執事は愛される【男主】【完結】

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「Aくん、悪いんだけど私達海外にバカンスに行こうと思っているの」

『素晴らしいですね。是非とも楽しんできてください』





よっしゃ、俺の休みが増える。
心の中でガッツポーズを決めた。

奥様は俺をくん付けまでして甘やかす。普通だったら呼び捨てとか名字なのに。甘やかされるのは少し苦手だ。
泉様のことを「いっくん」と呼ぶほど甘やかしてるし。





「でもねいっくん、モデルの仕事が入っちゃってるから一緒に行けないの。だからAくん、私の居ない間はいっくんのこと見てあげて？」





……嘘、だろ。


この泉様と二人で一週間を過ごすなんて地獄としか言いようがない。

しかも、寝泊まりで。二人で朝から夜まで一緒ってどれだけ地獄かこの方は分かってくれないのか



だが仕方ない。

瀬名家の両親にはお世話になっているし、たったの一週間。他の執事も居るし大丈夫……うん。





「こいつと一緒とか最悪なんだけどぉ」

『申し訳ありません。お気に召さない場合は私は別室でいますので』

「まあ、別にあんたなんか気にもならないけど」





うざい。


俺は休日を仕事に使っているのにどうしてこんな風に文句を言われなくてはいけないのか。パワハラと言っても良いのでは？


しかも、別室で過ごしたいのにこんな風に二人でテレビを見なくてはいけないって拷問だ。





『泉様もこのような方が好みなのですか？』





テレビの女を指差す。

黒髪の清楚系の女を泉様が見つめていたので、聞いてみた。



こういうのがタイプか。
まあこの人はギャルとかはあまり好みではなさそうだし。納得と言って良いだろう。





「はぁ！？俺がこんなブスを好きなわけ無いでしょ！！肌の手入れもサボってるし」

『そうですか……何故そんなに知られているのですか？』

「こいつ、前に一緒に仕事したんだけどぉ、ほんと性格悪かったし最悪」





アイドルも大変だな。見たくないものを見てしまうなんて。

まあ俺もあんな学院に入ってしまったせいでイケメンの裏を知ってしまったけど。



その後も愚痴を聞き続け、一日は終わった。





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