【ツイステ】攻略できないキミのこと【男主】

18.爆発 ページ18

･





結果は刹那、デュース達の敗北だ。



瞬間に出される魔法。圧倒的な魔力。満場一致のリドル寮長の勝利だった。









「その程度の実力で、よく僕に挑もうと思ったものだ。恥ずかしくないの？」









目を細めて語るリドル寮長に対して、本当にな。と心の中で頷く。









「やっぱりルールを破るやつは何をやってもダメ。お母様の言う通りだ」

「……確かに、ルールは守るべきだ。でも無茶苦茶なルールを押し付けるのはただの横暴だ！」









デュースが苦しそうな表情をしながらも、言葉を突き刺す。


今、文句を言うのは止めた方が良い。リドル寮長からは負け犬の遠吠えにしか聞こえない。




ハーツラビュル寮の従っているハートの女王の法律は先日図書室で暇つぶしに読んだことがある。

全810条。食事や生活習慣までもを強制させる何とも横暴な法律(ルール)。


これは、寮生が苦言を零すのも無理は無いと思った。






監督生くんやリドル寮長が言い合う中、ふとリドル寮長が言った言葉が俺の息にピリオドを打つ。









「そんな簡単なルールにも従えないなんて、君は一体どんな教育を受けてきたの？どうせ大した魔法も使えない親から生まれて、この学園に入るまでろくな教育も受けられなかったんだろう。実に不憫だ」









今までのルールに対しての考えは何も苛立たなかった。しかし、この言葉を聞いた瞬間腹が煮え返るような思いが込上がる。



柄にもなく、その顔目掛けて魔法を仕掛けようとしたが、その前に彼の顔面に拳が打たれた。









『……えっ』









まさか、彼が殴るなんて思わなかった。



エース･トラッポラ


初日から退学騒動を起こしたり、デュースと同室だとか、何かとよくデュースといた問題児。

彼を見てきたところ、一番楽な手段を選びそうな人物だというのに、わざわざ人の為に寮長という大物を殴るなんて。









「お前がそんなクソ野郎なのは親のせいでも何でもねえってたった今、よーく分かったわ！」









場に似合わずスカッと怒りが収まった。



リドル寮長の親のことは俺は何も知らない。でも、なんとなくは分かる。世間をあまり知らないことやルールに対して異常な執着心を持つのは、彼の親が関わっているということを。









「この学園に来てから１年、お前の横暴さを注意してくれるダチの一人も作れなかった、てめーのせいだ！」









･

19.決意→←17.決闘

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す