【あんスタ】薔薇王子。【男主】

３２。 ページ35

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結局、朔間零と学院を抜け出した後は初めて反省文というものを書いた。


でも、原稿用紙５枚分書くこととアイスを食べることに比べれば書いても良いくらいアイスとかき氷は美味しかった、と思わなくはない。







今日も相変わらず、朔間零は学院をサボっているらしい。









「やあ、Aくん。久しぶりだね。相変わらず一人で真顔で、アイドルの時とは別人だね！」

『……ああ、巴日和。年上には敬語使ってくれない？俺の方が年上で先輩』

「うーん、でもAくんは背が小さくてまるでかっこいい先輩には見えないね！」









何だか、嫌味ったらしい言い方だ。



巴日和。


同じ事務所に所属していて、俺よりも年下で後輩だがいつも財閥の息子だからか堂々とタメ口で話しかけてくる。

最近、fine？とやらのユニットに入っているらしい。




あまり、好きではない人間だ。









『それで、何の用？』

「用は無くても同じ事務所の先輩だからね！声はかけておかないといけないよね」

『別に、話しかけられない方が俺は嬉しいんだけど』









相変わらず、自由なやつだ。


面倒臭い。別に凄く嫌な奴ではないけれど関わりたくない。









「Aくんの出ているドラマでの演技の噂は聞いているよ。凄く演技力が良いらしいね！それも、アイドルよりも才能があるかもしれないくらい」

『……そうみたいだね。でもあんたになんか関係ある？』

「事務所が困っていたよ。Aくんは「アイドル」として推されていたんだから、ね」









そんなの、俺が一番知っている。









「Aくんは、これからどうするのかい？アイドルか、それとも」









「事務所を辞めちゃうか」









「それじゃあ、僕は忙しいからねー」

そう言い、手をヒラヒラと振りながら笑顔で去っていった。




……本当に、苦手だ。こいつ。








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