。*:＊過去と未来＊:*。2 ～心～ (ページ14)

今日:2 hit、昨日:23 hit、合計:53,162 hit

いじめられる側ページ14

翔side

翔「…屋上かな？」

教室には誰もいなかった。

でも3人のかばんだけはまだ置いてあった。

潤「…なんか3人で遊んでんじゃねーの？」

翔「あはは(笑)

小学生かよ。」

ただの興味本位だった。

ただの暇つぶしだった。

ただ、家に帰りたくないってだけだった…。

それなのに

雅紀「…俺ね、昔から体が弱くて

入退院の繰り返しで、学校を休みがちだったの。

ニノとは小学生の時からの幼なじみで、クラスが違っても家の方向は同じだったからよく一緒に帰ってたんだけど…」

雅紀がいつもの明るい雅紀じゃなくて

なんだか、寂しそうに

そして辛そうに話していた。

潤「…おい」

松潤が俺の肩に手を置いた。

彼は静かに首を横に振った。

” 帰ろう ”

言葉はなくても、そう言っているように感じた。

雅紀「入退院ばかりしてたから、自分のクラスに居場所はなくて…

でも初めの方、山田たちが俺に話しかけてきてくれて…

それが嬉しかった。

一人でいるのが好きじゃないから、山田にしがみついて、仲間外れにされないように必死だった。

松潤や翔ちゃんみたいに喧嘩はできないし、揉め事は嫌いだから、みんなに良い顔をして、

パシリでもなんでもやった。」

翔「…」

言葉が出なかった。

俺や松潤は多分、いじめられる人の気持ちなんてわからない。

いじめる側ではないけど、すぐに反発して、すぐに喧嘩になるから。

いじめられてる奴は弱いから。

いじめられてる奴にも原因があると、彼の言葉を聞くまでは思っていた。

でも…

雅紀「…俺、弱いから。」

雅紀の言葉に胸がドキッとした。