＊ ページ25
和也side
殺らなきゃ殺られる。
今俺に恐怖はない。
何も怖いことなんてない。
助けてくれようとした斗真が目の前で殺されて
頭の中が真っ白になって
悲しみよりも
恐怖よりも
怒りが込み上げてきて
何も考えずに梶間に飛びついた。
その後のことはあまり覚えていない。
でも目の前にリーダーがいて、
” ああ…来てくれた… ”
そう思った。
それから段々と冷静になってきて、リーダーが危ないと思って自然と体が動いた。
そこでやっと我に返った。
智「…ごめん、和。
助けに来たのに助けられちゃった。」
和也「…リーダーが来てくれてよかった。
あのまま突っ走ってたら、俺、どうなってたか…」
リーダーと短い会話を交わし、梶間を睨みつけた。
梶間「…俺を一人だと思ってないか？
ここに何人いると思ってる。」
梶間が放ったその一言で、梶間の後ろから10人ほどの仲間と思われる男が現れた。
俺たちは構える。
智「…和、行けるか？
怪我は？」
和也「…少しだけ。
大丈夫です。」
体は大丈夫。
さっきは我を失っていたから大丈夫だったけど、
今発作が出たらまずい…
恐怖は捨てろ
俺は自分に言い聞かせた。
ざっと10人。
行けるか…？
「大丈夫だよ」
和也「…え？」
潤「2人じゃなくて5人いるからな！」
智「みんな…」
雅紀「和、大丈夫？」
翔「ま、大丈夫そうだな！」
和也「大丈夫、だけど
お二人もお怪我されているようですけど、大丈夫ですか？」
雅紀「あはは(笑)
翔ちゃんの方が痛そうだけどね！」
翔「まじ痛てぇよ。」
みんなが来てくれた。
こんな風に平気そうな顔してるけど、血だらけだし、傷もたくさんある。
そこまでしてここに来てくれた。
助けに来てくれた…
潤「泣くなよ？(笑)
まだ終わってねぇからな。」
潤くんに肩をポンと叩かれる。
和也「泣いてないし、
気安く触らないで。」
潤「はぁ！？」
俺ってほんと素直じゃない。
自分でも笑っちゃうくらい。
でも…
俺なんかの為にここまで来てくれたのが、
嬉しくてたまらなかった。
智「大丈夫。
和ちゃん喜んでるよ。」
和也「…うっさいよ。」
喜んでる暇なんてない。
死ぬかもしれない闘いが、始まるんだ…。
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作者名：haru | 作成日時：2020年3月2日 20時
