＊ ページ16
和也side
梶間に銃を向けられる。
でも、不思議と恐怖はなかった。
和也「…あんたは何で人を殺すんだ。」
自分でもビックリするくらい低い声でそう言った。
梶間「人が死ぬ瞬間が一番美しいからだよ。」
和也「…美しい？」
俺は梶間の言葉に違和感を覚えた。
梶間「人は誰でも死は怖いだろ？
俺が殺そうとするとみんな、怖がるんだ。
その瞬間が人間、最も美しい。」
梶間は不気味に笑った。
狂ってる…
梶間「山下もお前らの仲間なんだっけ？」
山下…
俺には結局あいつが敵なのか味方なのかわからない。
リーダーは信じてたけど、翔さんは信じていなかった。
俺はわからなかった。
もう裏切られたくないから、信じたい気持ちは強かったけど…
梶間「山下は俺の味方だよ。」
和也「え…」
梶間はニヤッと笑った。
ど、どういうこと…
やっぱりスパイだったってこと…？
だとしたら、みんながっ…
梶間「心配か？仲間が。」
和也「…何の為に俺たちに近づいた？」
冷静を装い、俺はそう問いかけた。
梶間「もちろん、お前らを殺る為だ。
ああ、あいつは兄貴に会いたいとも言ってたな。」
和也「…兄貴？」
梶間は銃を俺に向けたまま、ゆっくり近づいてきた。
そして俺の額に当てた。
梶間「お楽しみはこれからだ。」
梶間は引き金を引かず、口で『バーン』と言ってみせた。
兄貴って誰だ？
山下は…
何者なんだ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：haru | 作成日時：2020年3月2日 20時
