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竜胆SIDE
電話越しから路地裏にいる男であろう声が聞こえてきた。ただのナンパだろうから気にしないで欲しい所だけど。
『……』
お、ちゃんと無視してくれてる。偉い偉い。
?『なぁって…』
『……』
?『ッ…、おい!』
見事なまでに無視されてて笑えてくるな。多分男があまりにも元気そうだから大丈夫だと判断して無視したんだろ。
?『テメェ…、この俺を無視できるなんて…いい度胸してんなァ』
竜「…!A!」
『大丈夫ですよ。これぐらいなら…対処できます』
鈍い音の後に人の倒れる音も聞こえてきた。
竜「A…?」
『……』
まさか…、やられてねぇよな?
竜「A!」
『本当に大きい音がいきなり聞こえると耳がキーンってなるんですね』
…焦った、マジで焦った…。
『もしかして返答がなくて焦っちゃいました?大丈夫だって言ったじゃないですか。…まぁ、わざと答えなかったんですけどね』
竜「…お前なァ…」
『さっきの叫びで竜胆さんが大体どこにいるのかわかりました。絶対にそこから動かないでください』
…電話を切られた。
下「Aって言うんですね」
竜「別に名前なんてどうでもいいだろ」
下「竜胆さんがそんな焦って叫ぶぐらいの女…、興味出てきました」
竜「あ?ぜってぇ渡さねぇからな。っつーか、まだちゃんと付き合ってる訳でもねぇし」
そうなんだよな…、あの雰囲気に流されてすっかり忘れてたけど一応今お試し期間だからな…。お試し期間っていつまでなんだよ…。
下「もしかして、あの人ですか?」
コイツの指した方を見ると、息を切らしながら走ってくるAがいた。…ヒールであの速度かよ。ヤバいな…。
「はぁ…はぁ…。はい、忘れ物です」
竜「ありがと、助かった」
下「貴方が竜胆さんと付き合っているAさん?」
「え?…付き合って……。一応?付き合っていると思いますけど…」
気持ちはわかる。でもそんな戸惑いながら言うなよ…。
下「へぇ…、確かに竜胆さんの好みとは違う…」
竜「おい、余計なこと言うな」
下「ところでどうやって男を倒したんですか?音を聞く限り一発で倒したみたいですけど」
コイツ…、Aだってこの後仕事があるのにあまり引き止めんなっての…。Aも困ってるだろ…。
「…ヒールで…頭を殴った…?…殺してないですからね、まだ寝てるだろうけど」
なんで疑問形なんだ…。
下「わぁ…スゴイ」
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suffron*(プロフ) - ゆいとこさん» コメントありがとうございます!三ツ谷君が最推しなんで結構序盤絡ませていきたいと思ってるんです!これからも頑張りますね! (2022年11月18日 15時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!(おめでとう…なのか?)いつも楽しく読ませていただいてます!!三ツ谷くん出てくるんですね!今後の展開がすごく楽しみです♪無理せず更新頑張ってください!! (2022年11月18日 15時) (レス) @page1 id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年11月17日 23時