仕立て屋 ページ19
白橋SIDE
良かった、９時までに店に戻ることが出来て。開店の準備は終わっていたしそこまで焦ることもなかったけど、あの路地裏が近道だったようだから帰りは行きよりも少し遅くなった。…あの人、そろそろ起きたかな。イイ所に入っちゃったから相当痛かったと思うけど…。
「まぁ…襲われるよりはマシだよね。うん、あれは正当防衛」
さて、今日は何をしよう。まだ生地は届いていないから三ツ谷さんも今日は来ないし…、マイキーさんのスーツを仕立て終えてしまうか。他のスーツもほぼ終わっているからお客さんたちに連絡を一応入れておこう。
九井さんのスーツもか。先に九井さんに電話をかけよう。
１コールで出た、…流石。
「お世話になっております。スーツ専門店“シュヴァリエ”の白橋です」
九『白橋か、どうした』
「スーツの新調が予定よりも早く終わりましたので、お時間のある時に取りにいらしてください。今回はその件についてお電話させていただきました」
九『わかった。わざわざ電話ありがとな』
「いえ、これも仕事の一つですので」
私は九井さんが電話を切ってから受話器を置き、他の客にどんどん電話をかけていった。勿論仕事中の方もいるし、出られない客がほとんどだったけど。まぁその人たちは予定通りに取りに来てくれれば問題ない。
「じゃ、一通り連絡は終わったし作業開始するか」
マイキーさんの綺麗な白髪を主張したいから、今回のスーツは本当に光を通さないんじゃないかと思うぐらいの暗い黒にしてある。尊厳を出すために生地の種類も重くて厚めのもの。体格を隠せるように少し大きめに生地を裁った。
後残ってるパーツは両腕、それを縫い終わったら他の部分を繋ぎ合わせて完成。
そんな時間かからないな。
客「すみませーん」
「いらっしゃいませ」
客「スーツの新調を頼みたいんですけど」
よし、来た。お仕事。私は客を案内し、採寸を始めた。今回の客の職業はホテルマン。確かにそんなオーラを纏ってる感じがする。ホテルマンなら高級感を出しながらも少し謙遜しているような雰囲気にしたい。派手な色は使わず、いたってシンプルに。
「では３週間後にまたいらしてください」
客「わかりました、３週間後ですね」
「本日はありがとうございました」
最近迷っていることがある。それは、ネクタイを商品として売るか売らないか。今までは贈り物としてタダで渡していたけど、お金の問題で辛くなってきた。
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suffron*(プロフ) - ゆいとこさん» コメントありがとうございます！三ツ谷君が最推しなんで結構序盤絡ませていきたいと思ってるんです！これからも頑張りますね！ (2022年11月18日 15時) (
レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ(プロフ) - 続編移行おめでとうございます！(おめでとう…なのか？)いつも楽しく読ませていただいてます！！三ツ谷くん出てくるんですね！今後の展開がすごく楽しみです♪無理せず更新頑張ってください！！ (2022年11月18日 15時) (レス) @page1 id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年11月17日 23時
