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白橋SIDE
蘭さんは驚いている様子だった。こんな大人しい女が銃を持っているなんて誰も予想できないだろう。私自身もこれをお客さんに貰った時は正直焦った。しかも渡してきた人が暴力団の一人となるとさらに恐ろしい。取り敢えず自衛用ということで肌身離さず持ってるけど。
蘭「発砲したことあんの?」
「一度だけ。そこにある額縁の裏に穴がありますよ」
大体測り終わった。蘭さん足長いからいつもより作るのが大変そうだな。竜胆さんぐらいの体型のスーツは飽きるほど作ってるけどね。
「失礼します、お客様」
彼の顔に手をそっと当て、眼をジッと見つめた。
蘭「な…何?」
「………」
菫色のつり目、下がり眉、当たりの良さそうな表情…。高級感を出すために良い生地使わないとね。後はスーツの色か…。シェイクスピアやパープル・ネイビー辺りの色…。
うん、イメージは固まった。
私は自分のイメージを紙に描いた。
「お客様、このようなスーツはいかがでしょうか」
蘭「パープル・ネイビーってどんな色?」
色彩図鑑を開きながら私は説明した。
「ドレスなどに使われる生地はこの色よりも多少明るめになっておりますが、スーツに使う生地は暗めのものにします」
蘭「あ、俺の顔見てたのって合う色を探してたってことか」
「えぇ」
蘭「この色俺好きだわ、これで頼む」
「かしこまりました。では、次に竜胆さんの方を」
蘭さんと交代で竜胆さんが個室に入ってきた。やっぱり顔はちょっとムスッとしてる。
「上だけ脱いでください」
竜「は?」
「採寸するので」
竜「…わかった」
嫌々上を脱いで、服をその辺に放り投げた。
「くすぐったかったり痛かったりしたらすぐに知らせてくださいね」
竜「ん」
サイドチェストはお兄さんよりもある。筋肉の付き方も比べ物にならないほど綺麗。
「もしかして、ストレッチとかマッサージ念入りにしていますか?」
竜「うん」
体をしっかり伸ばすことで筋肉が凝り固まらないで増えていく。あまり体のことは詳しくないけど、筋肉のせいで小さい服が着られない人がいるらしいからその人たちのために筋肉のことについては一応勉強しておいた。一応ね、一応。専門家でもプロでもない。
「スーツは伸縮性のある生地を使った方がよろしいですよね」
竜「なんで?」
「え?だってお客様方反社の方でしょう?スーツ着ながら動き回るじゃないですか」
…あれ?地雷踏んだ?
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シオン(プロフ) - suffron*さん» マイキー、落ち着いて〜〜 (2022年11月13日 17時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
suffron*(プロフ) - シオンさん» マイキーは夢主とイザナの関係を知りませんからね、一切 (2022年11月13日 17時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ちょ〜〜マイキー、これはやばいよ。夢主のイザナみたいだと勘違いしてるぽいやぁ (2022年11月13日 17時) (レス) @page39 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - suffron*さん» 楽しみに待ってます!!! (2022年11月13日 16時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
suffron*(プロフ) - シオンさん» まぁ答えは次のお話で出てきますので〜 (2022年11月13日 16時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年11月2日 0時