【求む！】御幸一也にきらわれる方法

方法>>49 ページ49

卒業式が終わってはや1週間。

日本選手権まであと1ヶ月ということで

練習も更にハードなものになっている。

そんな日曜日のお昼休憩。

ご飯を食べ終わり、あと30分。

ストレッチをするか、筋トレをするか迷っていると

「A携帯鳴ってるよー。」

投げられた携帯をキャッチをして画面を見ると

「御幸先輩…？」

ここ1週間全く連絡が無かったのに。

まぁ、御幸先輩も色々忙しいんだろう。

俊も忙しそうだし。


チームメイトに一声かけて外に出てから電話をとる。

「もしもし？」

『あ、篠原。今大丈夫？』

大丈夫です。とベンチに腰をかける。

『あの、さ、篠原。』

御幸先輩はたどたどしく話し始めた。


『篠原、まず、俺本気だから。
本気で篠原のこと好きだから。
だからな、ぜってぇ大学入ってもどんな美女に声をかけられても
篠原以外と一緒になる気はない。まず、それは分かって？』

急に始まった告白とも取れるその言葉に少し緊張してしまった。

うそ。かなり心臓がうるさい。

『んで、情で付き合ってもらうつもりは無い。
篠原も水泳大事な時期だし俺も今から野球部で踏ん張る時期。
だから連絡とかできない時あると思う。

でも、俺ずっと篠原のこと好きだから。

篠原に俺のこと好きって言わせるから。』


御幸先輩の真剣な声に


「…分かりました。」


精一杯真剣な声で答える。


『じゃあ、水泳頑張って！
あ、男子とは一定の距離を保て！
3年で同じクラスになった野球部に守ってもらえな！
野球部も信用出来ねぇけど…。
あと奥村！奥村には気をつけろ！』


急に始まったかと思えば終わるのも急だった。

御幸先輩の言葉を聞き流し通話終了のボタンをおす。



「あれ？熱？顔赤いよ？」

「へ？」




篠原Aが自覚するまであと少し…。

意識→←方法>>48

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す