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冬休みが開けた頃俺は午後のOFFを利用して中学の母校へと
10年ぶりに向かった

今校舎に入ったところで俺のいた頃にいた先生はいないだろう
正門の前にある喫茶店で彼女が出てくるのを待っていると

「あ、」

4:20頃奥から彼女らしき人が見える
お会計を素早く済ませ外へ出ると


少し痩せて髪も伸びた
でもあの目、あの口、そして何より生徒に「さようなら」
と挨拶をする声と笑顔

間違いない!

間違えるはずがない!


飛んで抱きつきそうになるのを抑えて後ろから肩を叩くと
ゆっくり振り返る彼女

恐らく生徒に肩を叩かれたのだと思ったのだろう

「ほれ、早く帰りな、………え?」

まん丸の目


「みうき……」

目を潤ませ、巻いていたマフラーを口まであげ

「…!まって!」

全力疾走する彼女を追いかける

女子と男子、一般人とスポーツ選手の差により彼女は
呆気なく捕まえられた


「ごめん、逃げないで、お願い」

呟くように言えば

「別れ方が一方的だったのは謝るよ
でも、私は話すことなんてないし、みうきと、あなたと
会う資格がないっ…」

珍しく泣きそうになる彼女
いや、この3年間で泣き虫になったのだろうか

少なくとも俺が彼女の涙を見たのは片手で足りるだけ

「ここだと目立つから」と、俺は自分の車に彼女を乗せた



車は動かさず俺は彼女の方を向いて

「会いたかった…!」

そういい3年ぶりのハグをした


でも彼女は腕を昔のように回してはくれなかった

「どこで私がここで働いてるって知ったの?」

俺はハグをしたまま

「岡本律哉ってのに教えて貰った、この間久々に青道行ってさ
この中学俺の母校なんだ」

「律哉くんか…」と呟き彼女は

「それはわかった、でももう会いに来ないで?
会えない。会えないんだよもう」

今まで聞いた中で1番悲しそうな声で言った

「なんで、会えないの?」

絞り出した声で尋ねると

「みうきの、邪魔になるから、もう支えじゃなくて邪魔になる」

俺の胸をとんと押し、ハグを彼女が解くと着信音が鳴り響く
それは俺じゃなくて彼女ので「出ていいよ」と言うと車から出ようとしたので止め、車の中で電話に出てもらった


「もしもし」

彼女が電話に出ると

「えっ、本当ですか!?今から向かいます!」

何やら電話の相手は女の人

「…急用出来たから」

突き放されるように言われ、傷つきながらも

「送るよ」

また、突き放すように断られた


やっと、会えたのに…



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かなえ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!楽しんでもらえていたら嬉しいです (2017年12月31日 9時) (レス) id: 38d127b762 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - お疲れ様です!めっちゃ好きでした! (2017年12月31日 1時) (レス) id: 226d03e2ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かなえ | 作成日時:2017年12月10日 20時

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