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先日、私の妹が結婚した

22という若さで世界で一番大切な人を失った妹
22という若さで一児の母となった妹

10離れている妹は可愛くて可愛くて仕方なく
特に末っ子ということもあり、大切に育てられてきた


妊娠がわかった時妹は両親に
「産みたい、きっと凛がくれた最後の贈り物なんだ」

そう訴えたが父は認めなかった、母は泣いた、弟は立ち尽くした

私は何も言えなかった

母としての辛さも知っている
でも産みたい気持ちもわかる

弟が「相手は誰だ、その子の父親は」と問えば震えた声で
「わからない…」と告げた

もう4ヶ月
迷ってる時間はない


家族の中でも堕ろすかどうかよく話し合ったが
妊娠がわかってから妹の精神状態が安定したため
両親は「産みなさい」と大きな決断を下した


専業主婦をやっていた私は妹とよく病院へ行った

自分の子の写真を見た時妹は
「可愛いね」そう繰り返して泣いた



父親がわからないならこんな顔しないよ…

私は妹に話した

「父親分かってるんでしょ
なにか事情があって言えないのよね?
お姉ちゃんにだけは話してくれない?誰にも言わない」

すると妹は泣きながらに

「今年ホワイトライオンズに入団した御幸一也」

私はハッとした

確か1度だけ、まだ彼が普通の大学生だった頃見かけたことがあった

妹ととんでもないイケメンが歩いていると思い
夜に問い詰めると付き合って2年になるとハニカミながら
教えてくれた


「…スキャンダルになると思って言えなかったのね」

「うん…」

私は妹を抱きしめ、

「大丈夫、お姉ちゃんが守ってあげる」


それから半年

3月に凛也を産み、半年間は私の家に居候して仕事を探していたけど

「8月から雇ってくれる中学校が見つかったの!
前の栄養管理士が病気で倒れたから募集してて!」

それから2ヶ月後、妹はこの家を出ていった

高校、大学時代の残り僅かな貯金と2ヶ月分のお給料
土日と夜はカフェでバイトをし、保育園も見つけて出ていった

早いものでもう3年が経とうとしていた時


「凛也くんは俺の子です。
どうか結婚を認めてくれませんか」

父親である御幸一也

知らなかった家族は驚き、そして怒鳴った

「娘がどんなに辛い思いをしたと思うのか!」と


でも御幸くんだって妊娠を知らなかった
ちょっと2人は互いを想いすぎて遠回りしてしまっただけ


どうにかして両親にも許可をもらった2人


私が今妹に伝える言葉は



「おめでとう、頑張ったね、幸せになりなさい」






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かなえ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!楽しんでもらえていたら嬉しいです (2017年12月31日 9時) (レス) id: 38d127b762 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - お疲れ様です!めっちゃ好きでした! (2017年12月31日 1時) (レス) id: 226d03e2ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かなえ | 作成日時:2017年12月10日 20時

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