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彼女の話を聞いてからいろんな言葉が出そうになって
でも、結局頭に浮かんだどんな言葉もでなかった

「俺に頼ってくれよ」「お前は独りじゃないんだ」

かっこつけだと言われてもいい

ただ、ただ、安心するような言葉をかけたかったけど
俺の口から出たのは

「A…」

彼女の名前だった

なんでかわからない。ここ2年はほとんど彼女の名前を
口にしなかった

俺には呼ぶ権利がないとどこかで思ってたからだろうか

「名前…呼んでくれるんだね。やっぱりみうきは優しすぎるよ」

少しだけ緩んだ彼女の顔をみて俺は

「A、A、A…」

何度も彼女の名前を呼ぶと彼女は


「ねぇ、みうき、無理しないで。もう私たちは貴方の前に
現れないから。それにね、これ以上名前を呼ばれたら…」

いつも彼女は昔、泣く前に少し笑った
少し笑って、でも堪えきれないように涙を流す

彼女は、Aは少しまた笑ってから

「私、みうきの側から今度こそ離れられなくなる…」

「ごめん、」そう言って丸い目いっぱいに涙を溜めて俺に言った


「側から離れなくていいんだよ、俺だって離れたくない
俺にはお前が必要なんだ」

「でも、今からっていう時なのに、子供がいたなんて
世間に知られたら…」

「そんなことなんてどうでもいい!!
お願いだから俺から離れないでくれよ、頼むから!
前みたいに笑ってよ。今度は2人じゃなくて凛也と3人で」

みっともないのもかっこ悪いのもわかっていた
縋り付くように言えばAは重い口を開いた


「私、アナウンサーみたいに綺麗じゃないよ」

「そんなことない、俺にはお前しか見えてなかった」

「凛也いるからみうきだけに使う時間も少ない」

「それは、ちょっと、頑張って増やせばいいよ」

「私のせいでみうきの人生めちゃくちゃになるかもしれないんだよ?」

「お前にめちゃくちゃにされるなら嬉しいよ」

Aを抱きしめて俺は3年間の気持ちを、本音を伝える


「どんな名誉よりも名声よりも地位よりもお前が大切なんだ
3年間お前の事ばっか考えて気が狂いそうだった
……お前と、お前との子と笑ってる以上の幸せ俺にはない

お前にばっか苦労かけてごめん、気づいてあげられなくてごめん
もう1度俺にチャンスをくれないか?

きっと、世界1幸せな家族にするよ」


指輪もないプロポーズ

これから苦労もあるけどAとだったら生きていける


___3年ぶりにみた彼女の笑顔はとても綺麗なものだった



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ハッピーエンドのその先→←♂



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かなえ(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!楽しんでもらえていたら嬉しいです (2017年12月31日 9時) (レス) id: 38d127b762 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - お疲れ様です!めっちゃ好きでした! (2017年12月31日 1時) (レス) id: 226d03e2ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かなえ | 作成日時:2017年12月10日 20時

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