【◇】私はもっと大切にされていいと思う

50. ページ3

沢村の大声。というか叫び声を合図に
わらわらと集まってくる野球部一同。

「いや、海原イタイな。必死すぎ」

「え？なに？木島。可愛すぎ？」

「いや死ねよ」

「お前が死ねよ」


こちとら大変なんです。

朝起きたら耳としっぽが生えてるなんてバッドモーニング誰が経験したでしょうか。

…しっぽってまだバレてないよね？


「ほらほら、見世物じゃないんですから！
もう私帰りますよ！？寝たら直りますってこんなの！」

逃げるように帰ろうとすれば…


「あの、監督からの指示なんですけど…
豪雨が酷くなってきたので一時寮で待機ということで…」

今日私は死ぬのでしょうかってくらいの悪運。


＊＊＊


監督の指示に逆らい帰ろうとしたところを白州とゾノに止められ
沢村に説教をくらった多分沢村の先輩の私。

「なんでこの部屋にいるの私」

「なんかあったらの5号室ですよ！先輩！」

いや、倉持後ろで半ギレだけど。

この部屋広くないのに人いすぎでしょ。


「というかさー、これ本物なのかよ」

「本物だわ。触れば？」

そーっと触ってくる倉持は少し可愛い。

「あ、本物だわ」

「だろ」

もう何でドヤ顔してんのかもわかんないよ。
沢村が俺もいいっすか！？と騒ぎ出せば

「えー、まじ？本物なの？俺も触るわ〜」

御幸がそう言い終わるか終わらないかのタイミングで

「ひゃんっ！」

しっぽを掴んだ。


「え、なに、今の声」

頭をぽりぽり掻きながら御幸はまだしっぽの付け根を触っている。


「なん、で、みゆき、しっぽ、？」

「いや、ケツのあたりなんかあるなー。って思ってたんだよ。朝から」

「てか、はなし、てよ、」

「えー？」


御幸はまたしっぽの付け根を優しく撫でた。



「ぁあ、ん」


なに、これ、



「御幸先輩、ねこのしっぽの付け根は性感帯なんです」

「御幸、海原から少し離れろ」


淡々と説明する降谷と私の近くに来てくれたクリス先輩。



「この、エロメガネ！！！」



この生活は中々の地獄かもしれない。

51.→←49.ネコ耳騒動↓

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す