9count* ページ9
.
川尻「よし!だいぶ整ったね!
休憩入れて次の曲の出だしもやっちゃおう!」
蓮くんの合図にみんながぐでーっと地面に寝そべった。
見てるこっちの息が止まるほどの集中力の中、
長い時間ノンストップで踊り続けていたもの。
見ていただけの私ですら今肩で息をしてしまいそう。
しかしそんな最中、
未だに1人鏡の前で踊り続ける人がいる。
「……」
真剣な横顔。
一つ一つの動きを確かめるように、
染み込ませるかのように踊り続ける豆原くん。
顎を伝う汗がフロアに落ち、
それを踏んでキュッと音が鳴った。
川尻「まーめ!追い込みたい気持ちわかるけど、
休憩も入れてね!」
豆原「確認したいとこまでやったら終わるんで」
お兄さんの忠告に振り返りすらしない。
そんなに切羽詰まってるのかな…。
素人の私から見たらもうどこから見ても
完璧にかっこいいのに。
木全「Aがいるから、
余計自分の中で納得させたいんだろうねぇ」
「そんなに?もうあれ完璧じゃないの?」
木全「俺もそう思う。
でもまめが納得しなかったら
完璧にはならないんだよ」
そう呟きながら私の隣に座り、
壁に凭れる翔也。
無気力に投げ出された両足をぱたぱたさせてみせて、
「でも休まないと、このあと持たないよ」
と付け足した。
佐藤「ここはさぁマネージャーの出番だと思うんだよね」
「私?何をすれば…」
佐藤「ちょっと横失礼」
「???」
汗を流しながらもいたずらっぽく笑った景瑚くんは
おもむろに私の隣に座るとそのまま
頭を私の頭の上に預けてきた。
めちゃくちゃ重いです。
わけもわからず抵抗しようとしたけど
その前に景瑚くんは「あーあ!」と大きな声を出した。
佐藤「まめがずっと練習してるから
俺と翔也でAちゃん二人占めしちゃお〜!」
「?!」
木全「え、景瑚く」
佐藤「もう左右の席取っちゃったもんねぇ」
豆原「っ?!」
その大きな声に部屋中の誰もが振り返った。
もちろん、踊っていた豆原くんも。
恥ずかしいのといたたまれないので
私と翔也で止めようとしてみるも、
傍から見たら景瑚くんの前で
わたわたしてるだけの私達。
景瑚くんも景瑚くんで完全に悪ノリしてる。
豆原「…景瑚くん」
佐藤「あれぇまめ、練習いいの?」
豆原「アンタ性格悪い」
いつの間にか、背後には息の上がった豆原くんが。
じっとりと景瑚くんを睨んでる。
1143人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Shiu(プロフ) - みづきさん» 初めまして!とても温かいコメントありがとうございます!他の作品も読んでいただけて、本当に幸せです…(T_T)大好きと言ってもらえてとても励みになります!ありがとうございました(*´∀`*) (2021年8月29日 0時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - 初めまして!すごくすごく大好きな作品でした!作者様の他の作品も大好きです! (2021年8月28日 23時) (レス) id: d3251df0ae (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - みぺさん» またまたコメントありがとうございます!最後まで楽しんでもらえるよう頑張りますね!! (2021年8月24日 13時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
みぺ - 豆ちゃん(涙)戻ってきてくれて嬉しいさときゅんで最高です! (2021年8月24日 2時) (レス) id: 5ff78606fb (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - みぺさん» コメントありがとうございます!!!きゅんきゅんしてもらえて嬉しいです(*´∀`)これからもきゅんしてもらえるよう頑張って更新して参ります! (2021年8月17日 14時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Shiu | 作成日時:2021年7月8日 14時