15、時は矢の如し ページ15
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私はカラ松さ……カラ松君の連絡先を登録する。
カラ松君は携帯を握りしめ、嬉しそうに笑った。
「これでお前はオレに罪滅ぼしをした。だから、もうそんな顔しちゃ駄目だぜ?お前の笑顔という太陽がなかったらオレの心に日が差さないんだ」
カラ松君はかっこつけながら頭を優しく小突いた。
相変わらずキザなセリフだが、これも彼なりの励ましなのだろう。
『……ふふ。ありがとうございます』
「ノンノンノン!ありがとうございます、じゃなくて?」
『あっ、そうだった。カラ松君、ありがとね』
私が笑顔で言うと、カラ松君は唇を噛み締めてにやける顔を必死にこらえていた。
そんな反応をされると期待しちゃうんだけどな……。
「おお、もうこんな時間か!」
腕時計に目をやると、いつの間にか結構な時間が経っていた。
気づけば、だいぶ日も落ちていて空は徐々に薄暗くなっている。
『じゃあ今日はもう帰る?』
「ああ、そうだな。your homeまでオレがお前のナイトになってやろう」
『大丈夫!私の家すぐそこだから。カラ松君も早く家に帰った方がいいんじゃない?家族が待ってるでしょ?』
私の言葉にカラ松君は少し悩んで、頷いた。
「そうだな。早く帰らないとbrother達にご飯を食べられてしまう」
『うん。じゃあ、またね』
「ああ、それで何だが……」
カラ松君が急に黙りこみ、視線を下に落とす。
それから何か決意したのか、私をじっと見つめた。
「ら、来週も何処か一緒に出掛けないか?」
『え、勿論!』
私が即答すると、カラ松君はパッと笑顔になった。
そして、嬉しそうに私に手を振り、走って家へと帰っていった。
「服、ありがとうな!来週着てくぜ!」
そう言って、角を曲がって消えていった。
カラ松君が見えなくなるまで手を振って、私も自宅へと向かう。
スマホを開き、某メッセージアプリを開けばそこには“カラ松君”の文字が。
なんだか一歩距離が縮まったようで、始終私の顔は緩みっぱなしだった。
マンションについて部屋に入ると、すぐさまベットへ倒れ込む。
ふと、スマホを開いてみれば、カラ松君からメッセージが届いていた。
【今日はありがとう。とてもbeautifulなdayになったぜ。お前と一緒にいる時間、それはオレにとってのutopiaだ。来週が待ち遠しいぜ。】
やっぱりカラ松君は画面の中でもイタいようです。
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六つ子は全員携帯もち設定でおなしゃす!
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すずりん - とても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2017年12月20日 23時) (レス) id: 102b46b60c (このIDを非表示/違反報告)
青狸(プロフ) - にゃんこヒーローさん» スゲーありがとうございます!笑笑更新頑張らせて頂きます! (2017年11月20日 18時) (レス) id: 17b47670ec (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこヒーロー - スゲー面白いです!続きが気になって仕方ありません!!これからも更新頑張ってください!楽しみにしています( ^ ∀ ^ )ノシ (2017年11月19日 0時) (レス) id: 6160959f20 (このIDを非表示/違反報告)
青狸(プロフ) - ハルメリさん» うぉあ!面白いなんて言って頂きありがとうございます!頑張らせて頂きますね (2017年11月11日 9時) (レス) id: 17b47670ec (このIDを非表示/違反報告)
ハルメリ - 更新、毎日楽しみにしています!とっても面白いお話で、何回読み返しても飽きません(*^^*)これからも頑張ってください! (2017年11月8日 20時) (レス) id: 56f8fd0f01 (このIDを非表示/違反報告)
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