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誤解 ページ8

『……』

夢「……」

静かな部屋に時計の音がカチコチと響く

『あの私』

夢「A」

『あ、は、はい』

夢「私は貴女を不安にさせてしまったんでしょうか」

『えっと……何を今更……』

(不安にじゃなくて愛想が尽きたの間違いじゃ)

夢「最初に言っておきますが、小生これから先死ぬまで貴女以外を好きになるなんてありませんから」

『……え?』

夢「けどもし貴女が小生に愛想を尽きたのならその時は言ってください。」

『その時はって…』

夢「その時はどんな手を使ってでもAを振り向かせます」

『先に私に愛想尽きたのは幻太郎じゃないですか』

夢「はっ?」

『だって幻太郎はあの女性の事が好きなんですよね』

夢「ちょっと待ってくださいこの前から一体誰の事を」

『この前ブランド店に入って行った女性にプレゼント買ってあげてたんですよね』

夢「あれは女性がプレゼントで貰ったら何が嬉しいか聞く為で……それにあの人は乱数の知り合いのモデルさんで既婚者です」

『……えっ?』

『で、でも最近上の空で』

夢「それは…貴女に何をあげたら喜んでくれるかって考えてて」

『じ、じゃあ私の勘違い……』

私は今まで抑えてた感情が一気に溢れる

『ごめんなさい!!私…わたし!』

夢「いや、小生こそごめんなさい!不安にさせてしまい…配慮がっ……」

夢野さんは喋る途中で倒れてしまった

『えっ!げ、幻太郎!?』

揺さぶるが顔色が真っ青で唸っているだけだ

『き、救急車!』

すると微かな力で腕を握られた

夢「だい……じょうぶで……すから…」

『顔色真っ青だし大丈夫じゃ……』

私はふと今朝兄との電車を思い出した


『幻太郎ご飯食べました?!』

夢「そ…れは」

『待っててください!あと少し仮眠してください!
寝てませんよね!?』

夢「すみ……ま…せん」

私は台所へ行こうと立ち上がり夢野さんの手を離そうとすると再び掴まれる

夢「どこにも…行かないでっ……」

少し目に涙を浮かべながら訴えてくる夢野さんの表情に罪悪感が襲いかかる

そっと手を添えて精一杯優しい声で声をかける

『大丈夫。何処にも行きません』

二人で一つ→←囁き



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作者名:シオン | 作成日時:2020年9月27日 5時

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