オマエ ページ43
突然の爆音と衝撃に思わず目をつむる。
何が起こった？
周囲には土煙りが漂い、腕がびりびりと痺れる。
…亜噂は、攻撃を受け止めたはず。
家康の拳を何とか見切り、三節棍がそれを捕らえた。
…なのに何故、目の前に家康がいない？
背中が痛い。受け身が取れなかった。
亜噂は突如のことに困惑しながらも、打った身体を起こして頭を回す。
(人間が吹き飛ぶほどの力…？それに亜噂は見切ったはずなのに…)
三節棍が曲がっていなくてよかった。とにかく速く戻らないと…
土煙を払いながら廊下を駆ける。
(…こんな距離を吹っ飛ばされたし…？！)
…家康が視界に入る。
三人が交戦していた。ガキン、ガキンと金属音が立て続けに流れる。
3対1。これをもってしても、やはり家康が押されている空気はない。
家康は、あんなに強かったのか？
(いや…そんな強力な空気はなかった…どうしてこうも格段と強くなった？)
やはり頭巾が黒い。それどころか、身に纏う全てが黒い。
亜噂に感じられる気配も、今まで感じたことのない暗黒を示していた。
黒くなることで強くなる…ということか？
(…もしかして、黒くなるのは副作用…？身体能力を上げるのと代償に、精神を狂わせるのだとしたら…)
「---------、---------------…。」
「…ッやめてくれし！！家康！！」
「ジャマをしないでくれないか。」
ふと、家康の姿が消える。
気配はそこに…あったはず。
「……ッ家や」
気付いたときにはもう遅い。
家康が半兵衛の首を掴み上げていた。
「く……ッ」
「貴様……ッやめろ……その手を離せ！！」
「戯れはそこまでにせぬか徳川…！！」
二人の攻撃に対して、半兵衛を盾にするように突きつける。
「…これでジャマも出来ないだろう？」
あの状態では攻撃が軍師殿に直撃する。
攻撃が出来ない……
「貴様……何を笑っている……！」
動け。
速くしろ。でないと手遅れになる。
なのに…
「やめてくれし、家康……！！」
何故動けない
「待ってくれ。もう少しなんだ……」
家康の手に力が入る。
「ぐぁ……ッ」
「やめろ…！やめろ家康！！よせ！！」
凶王の叫びも虚しく、空気に消える。
「次はオマエだ、竹中半兵衛」
骨の鳴る音が、やけに耳に残っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らん(プロフ) - おもしろかったです！やっぱり佐助は良い奴(*´ω｀*) (2020年8月15日 23時) (
レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
かえこ(プロフ) - らんさん» それは次のお話で明らかになりますよ！今回もコメントありがとうございます！ (2020年8月15日 18時) (レス) id: aec05404df (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - お久しぶりです！面白かったです！ 猿飛佐助は、今後仲間に入りますか？！(ネタバレすみません) (2020年8月15日 8時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
かえこ(プロフ) - かえこ(弟)さん» ありがとう。お前は早く勉強しろ？ (2020年8月4日 11時) (レス) id: aec05404df (このIDを非表示/違反報告)
かえこ(弟) - 面白かったです ﾏﾀｵﾈｶﾞｲｼﾏｽ (2020年8月4日 11時) (レス) id: 1df8178e6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かえこ x他1人 | 作者ホームページ：ホームページ?ﾅﾆｿﾚｵｲｼｲﾉ?
作成日時：2020年5月23日 21時
