-Fragment of a dream- (ページ20)

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④決意* ページ20

全力で試合をしても、相手が折れて諦めてしまう。

バスケが大好きで仕方ない大輝にとってそれはとても悲しい事で、何よりもう日本には自分を熱くしてくれるライバルなんて現れない。

多分そんな事を考え出したんだと思う。

夏のIHの後から大輝は練習に来なくなり、私は女子の練習があったから、隣のコートを覗くたびに居ないはずの大輝の姿を探した。
そして、久しぶりに大輝の姿を見たあの日。
練習中にチームメイトと揉めた大輝は、そのまま外に飛び出していった。

私も練習中だったけど、ほっとくなんて出来るはずもなく、大輝の背中を追いかけた。

その時の大輝の顔は今でもずっと忘れられないくらい、辛そうで、今にも泣き出しそうな顔で......私はなんて声をかけたらいいか戸惑った。

『ねぇ、大輝。戻ろ？みんな待ってるよ？』
やっと絞り出した声は震えていたし、多分、その言葉がいけなかった。

青峰「あ？........皆ってなんだよ。練習相手が諦めるんだったら、やるだけ無駄だ。」

『そんな事ない.......。』

青峰『...........練習しなくっても、バスケなんて勝てればなんでもいいだろ。』

『............っ！』

私は何も言えなかった。
大輝のバスケの才能は本物だし、きっとこのまま練習しなくても勝ってしまう事を分かっていたから。

それでも、私はバスケが好きでどうしようもなく子供の様にはしゃぐ大輝が好きだったから........

なんとかしようとしたんだ。

だけど、それは........私の思い上がりで、結局何も大輝の気持ちも分かってあげれてなかったって後になって気づいた。

青峰「.............チームメイトでもない、お前には一生わかんねーよ。」

そう言って去っていく大輝の背中を、私は追いかける事が出来ず、ただそこに立ち尽くすしかなかった。