-Fragment of a dream- (ページ16)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:1,018 hit

③驚愕な力* ページ16

最後のシュートが決まり、跳ね返ってきたボールを拾い上げる。

驚愕していた周りのギャラリーを他所に、私は黒子の所まで歩いていく。火神君はゴールの前で少し放心状態のようだ。

黒子「お疲れ様です。Aさん」

『テツ、ズボンありがとう。洗って返すね。』

黒子「いえ、そのままでいいですよ？」

テツがお疲れ様と笑ってくれる日がまた来るなんてなと感じながら笑っていると、後ろから大きな怒声がまた聞こえてきた。

火神「なんでだ！！！何で負けた？？！！おぃ、もっかいだ！！！もう一回勝負しろ！！！」

さっきよりは怒りに任せて喋っているわけではない、が私はその誘いには乗らなかった。

『えっ、嫌だよ。次やったら負けるし。』

火神「は？！勝ち逃げはゆるさねぇゾ！！！！」

そういう事じゃないんだけどなぁ.....と思いつつ私は頭を捻りながらちゃんと説明する。

『あのね、火神君私は勝ち逃げしたいとかじゃなくて、よく考えてみて？私が何で三本勝負って言ったと思う？？

それ以上すると君に負けるから、三本って言ったの。

事実君は、相手が強ければ強いほど試合中に対応して伸びていくタイプ。私がこのままずっと同じ事を続けていれば手足も長い、ジャンプ力も倍の君に勝てる訳がない。私が勝負を受けたのは、頭に血が登った君を落ち着かせる為。理解した？？？』

と淡々と説明し、火神君に詰め寄っていくと少し分かってくれたようで、少し驚きながらも「ぉ....う」と返事をしてくれる。

その中で黙って見ていた先輩達の中で、うーんと頭を悩ませていた小金井先輩が授業中の如く私に質問してきた。

小金井「はいはーい！何で火神は君のボール取れなかったのー！！！」

『あぁ...それは、ですね。

私わかるんです、次に動く動作が。
まぁ筋肉の動きから予測してるだけにすぎないですけど。ただ、キセキの世代のメンバーには未来予知にも届きうる才能を持つ人もいる......私の技術なんて可愛いだけにしか過ぎません。

だけど、技術も磨けば磨くほど、天才に届くと私は思います』