_水泡の章_ 完了 ページ9
パイモン 「なぁ、天之真水御霊は力を使い果たして泡となって消えたんじゃなかったのか?
でも、海月は天之真水御霊なんだろ?あれは結局、嘘だったのか?」
空 「そういえば…たしかに。でも心海がたしか、考えられないほど長い時を生きてるって言ってたよね。」
ふと、最初にみた巻物の内容を思い出し疑問に思うことを彼に投げかける。
海月は『あの巻物を見たのか』と微笑めば顎に手を当て、当時のことを思い出すかのように目を閉じた。
そして、話し出す。
『そもそも俺は人間ではない。仙人や神のような存在でもないんだ。
1番近いのは…そうだな、精霊、だろうか。』
パイモン 「純水精霊みたいなもんなのか?」
『ああ、彼女が最も近いだろう。俺は海祇大御神によって水から作られたものだ。
…君は、信仰によって神の力の大きさが変わることを知っているだろうか。』
パイモン 「オイラ知ってるぞ!吟遊詩人が言ってたヤツだ!」
手をぽんと叩き元気よく答えるパイモンに海月は楽しげに笑う。
『俺は神レベルとはいかないが、少ない数にしろ信仰されていた身ではある。現に、俺に関する巻物が残されているだろう?』
空 「つまり…海月は半神のようなものなのかな。」
『自分の体について永らく考えることは無かったからな。ハッキリそうだと断言は出来ないが、それに近いものだととおもってくれてかまわない。現に俺が人間に近い形を保てているだろう?それも信仰による影響だと思っている。元は、このような姿ではなかったからな。』
こくりと頷き、彼はパイモンの方をむく。
『そして、俺が泡になって消えたというのはあの時一時的に全ての力を使い果たしたからだ。
だが、俺は水から作られた精霊。核を直接破壊されたわけでなければ泡になって消えたとしても、水のある場所で数十年力を蓄えられれば元に戻ることが出来るという訳だ。』
パイモン 「えぇっと…つまり、海月は元々水から作られた精霊で人間の姿じゃなかったんだな。」
空 「でも海祇大御神によって作られた存在だったから少ないながらも人に信仰されてたんだ。
その影響で半神になって、今の人間の姿がある。
でも心臓とかはなくて代わりに核がある。核を直接壊されなければ死ぬことは無い…ってことだね。」
『御明答。そういうことだ。我ながらややこしい体になったものだよ…』
パイモン 「おいら、色々わかってスッキリしたぜ〜!」
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星 - 小説めちゃくちゃ面白くて大好きです!続きがとても気になります!更新楽しみにしています! (2022年12月18日 14時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
めりう(プロフ) - もももんさん» ありがとうございます!そう言って貰えるのが1番励みになります…!これからも更新頑張らせて頂きますので是非ご覧になってください! (2022年11月17日 1時) (レス) id: 41779d4132 (このIDを非表示/違反報告)
もももん - 好こティッシュフォールド!更新頑張ってください!!! (2022年11月16日 10時) (レス) @page16 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めりう | 作成日時:2022年11月15日 23時